(取扱上の注意)
1] ガス発生に対する注意
充電中及び充電完了直後のバッテリは、電気分解によって生じたガス(H2、O2)の発生が多く、特に水素ガス濃度が高くなると引火爆発するので、換気を良くすると共に火気の使用や、火花の発生には十分なる注意が必要である。
2] 熱に対する注意
過大な電流による充電は、電解液を異常に過熱させ、電槽の変形、極板やセパレータの損傷などの原因となるので、充電時には十分なる注意が必要である。又スチーム、クリーナ、等による清掃中の過熱による電槽の損傷についても注意が必要である。
3] 油脂に対する注意
バッテリの端子には、錆止めや腐食防止の目的でグリースなどを塗ることがあるが、それ以外に油脂が付着すると、有害な部分もあるので注意が必要である。
3) 空気始動
空気槽に蓄えられた圧縮空気を使用してエンジンを始動させるもので、圧縮空気を、ピストンの上部に送り、その膨張力によってピストンを勢いよく押し下げてクランク軸を廻し始動させる方式と、電気始動用のスターティングモータの代わりにエアモータを使用して始動させる方式とがある。
(1) 空気始動(圧縮空気でピストンを押し下げる方式)
空気槽(エアタンク)、分配弁、始動弁で構成されているものと、別に操縦弁と塞止弁を追加したものとがある。
始動空気の流れは、下記の2種類に大別される。2・185図にその一例を示す。
なお、操縦弁及び塞止弁が設けられて無い機関は、エアタンクからの空気が、直接※印部に入るためエアタンクの始動ハンドルを開ければ即エンジンは始動する。従って始動後は急ぎタンクの始動ハンドルを閉めねばならない。