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2・107図 ラジエータキャップのチェック

 

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2・108図 リザーブタンク

 

逆に冷却水温度が低下すると収縮してタンク内が負圧となりバキュームバルブが開いて、リザーブタンク内の水はタンク内に吸い戻される。

従ってリザーブタンクの水量は機関停止時より運転時に増加するのが正常であり、水量に変化がない場合は原因を調査せねばならない。

なお、ラジエータキャップの開弁圧はキャップテスタでチェックし異常があれば交換する。

(4) 冷却水温度自動調整弁と水量加減弁

冷却水の温度は高過ぎても又低過ぎてもいけない。その機関に合った最適温度範囲での運転が必要であり、そのために冷却水温度の調整や監視が必要となる。この目的のために使用されるのが冷却水温度自動調整弁と水量加減弁である。これらの弁は冷え過ぎを自動的に防止すると共に使用環境条件に応じて許容最大出力時に過熱などによるトラブルを起こさない範囲内で水量や温度容量などが設定されている。

冷却水集合出口の温度は清水冷却式で75〜90℃程度、海水冷却式で35〜50℃程度、の範囲に設定すると共にサーモスタットの開弁温度は清水の場合約75℃、海水では35℃程度としているのが一般的である。

1] 冷却水温度自動調整弁

一般にサーモスタットと呼ばれるワックスペレット式の弁であり、冷却水集合管の出口付近に設けて、冷却水の温度が設定温度より低く各部の熱膨張が不十分の間は、冷却水をポンプの吸入口に戻して冷却水を循環させ、水温が設定温度まで上がり、主要部が十分に熱膨張して適正なスキマを保持してくると弁が開いて排水又は熱交換器へ流し低温の冷却水を供給し水温を下げる働きをする。これらの動作が自動的に行われるものであり、冷え過ぎや過熱などのトラブルを予防する装置である。

清水冷却式の場合は一般にサーモスタットと言い、海水冷却式の場合は温調弁などと呼んでいる。

弁はワックスが熱により急激な体積変化をする性質を利用したもので配合割合により作動温度を自由に変えられるため、種々の設定温度のものがある。従って純正部品を使用すると共に開弁温度の打刻数値を確認して交換する事が重要である。

 

 

 

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