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清水冷却式の中高速機関の殆どは熱交換器の上部が清水タンクとなっており、清水回路内にサーモスタットを取り付け常時一定の温度に保っている。又タンクの清水注入口には調圧弁を内蔵したキャップが取り付けられている。なお、清水の補給なしで長時間運転できるように、樹脂製のリザーブタンクが設けてあり、水量の点検はリザーブタンク内の水量を確認するだけでよく、毎日の点検にはタンクのキャップをはずして調べなくても良い構造となっている。万一清水量が減少した場合には、タンク上部に取り付けた水位警報装置が作動し、ランプやブザーで危険を知らせる方式を採用したものもある。

 

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2・105図 清水クーラ(清水タンク一体形)

 

(3) 加圧弁(ラジエータキャップ)及びリザーブタンク

清水タンクの清水注入口蓋には加圧弁が取り付けられ、清水系統を密閉すると共に圧力を加えることで、水温が100℃以上になっても沸騰しないようにして気泡の発生を押さえ、冷却効果をよくしている。この加圧弁付蓋は一般にはラジエータキャップと呼ばれプレッシャバルブとバキュームバルブを備えている。冷却水の温度が上昇し体積が膨張してタンク内の圧力が設定圧以上になるとプレッシャバルブが開きタンク内からあふれた水はオーバフローパイプを通ってリザーブタンクに蓄えられる。

 

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2・106図 ラジエータキャップ

 

 

 

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