プランジャ式ポンプの吐出量は基本的にはプランジャ断面積、ストローク、回転数の相乗積で表されるが、弁リフトや弁の慣性などの影響を受け、回転数がある一定回転以上になると急激にポンプ効率が低下して吐出量が増加せず頭打ちとなる特性があるため高速機関には殆ど使用されていない。又この方式のポンプは間欠的に水を押し出すため圧力が脈動し、特に出口側通路の抵抗が大きいとき、又は吐出量が増大すると大きな圧力波を生じウオータハンマ現象を起こしポンプ効率が大幅に低下すると共に、水通路の弱い箇所に亀裂を生じることがある。このため一般には空気室(エアベッセル)を設けて脈動圧力波を緩衝させているほか、水圧調整用の安全弁を設けて、瞬間的に高い圧力を逃がしたり、ペット弁を取り付けて空気室に空気を吸い込ませて脈動の低減を図っている。
(点検と整備について)
(イ) プランジャの外径とシリンダの内径を計測し、スキマが使用限度を超える場合はスリーブを作成して挿入する。
(ロ) 弁及び弁座の当たりを点検し異常があれば修正又は交換する。
(ハ) 弁と弁案内の摩耗、及び弁バネの損耗、へたり、折損などを点検し異常があれば交換する。