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ポンプ本体及びケーシングには一般に砲金鋳物を用い海水による耐食性を高めている。又軸はステンレス鋼製のものが多く使用され、歯車による駆動もあるが殆どはVプーリによるベルト駆動が採用されている。

(点検と整備について)

(イ) ゴムインペラやカムの摩耗及び損傷状況を調査し異常があれば交換する。

(ロ) 軸とインペラの嵌合を点検しガタの大きいときは軸も交換する。

 

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2・102図 ヤブスコポンプ

 

3] プランジャポンプ

2・103図に示す如くポンプ本体内にプランジャを挿入しカム軸に設けられた偏心環の回転により、プランジャがそのストロークに応じて往復運動する。シリンダの先端部は弁室に通じており、プランジャが右方向に移動するとシリンダ内は負圧となり、吸入弁が開いて冷却水を吸入する。

プランジャが左に動くと吸入した冷却水を圧縮するため吐出弁が開いて冷却水は押し出される。この動作の繰り返しで冷却水を吐出させるものである。吐出弁出口には空気室が設けてあり、水は空気を圧縮しながら吐出するのでプランジャが吸入行程の時でもその圧縮された空気により水を押し出すので冷却水は吸入、吐出行程に関係なく連続して吐出され、圧力の変動が少なくなるように造られている。

吸入弁及び吐出弁は2・104図に示すように一本の弁軸に下から吸入用の弁座、弁、間隔筒、弁バネ、次ぎに吐出用の弁座、弁、弁バネ、の順に組み立てられ弁室部へ挿入されている。

弁座の弁室嵌入部分には気密保持のためOリングが用いられ、弁は弁軸上をガイドに沿って上下に動き弁の開閉を行うようになっている。

プランジャポンプは海水による耐食性を向上するため一般には砲金(青銅鋳物)が用いられているが、最近では弁及び弁シートに耐摩耗性の大きな特殊樹脂やプラスチックなどを用いたものもある。なお、一般にはプランジャの前後両端部に弁室を設けて複動式とし吐出量の増大と脈動の減少を図ったものが使われている。

 

 

 

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