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5) プロペラ取付け後

プロペラの取付けが完了した後プロペラナットを締付けて廻り止めを行う。その後、ボンネット(冠)とプロペラパッキン、パッキン押えを取付けグリース充填穴が2ケあるものは一方よりグリースガンで充填し、他方の穴より流れ出るまで十分に行う。

なおプロペラパッキン押えはプロペラ軸大端部を海水より保護する重要な個所であるから入念に取付けを行い、ゴムパッキン寸法もメーカの指示通りのものを取付け、押え代も適当なものであること。

 

2.4 ハイスキュープロペラ

1) まえがき

近年、船の高馬力化の傾向があるなかで、居住性の改善が強く望まれ、船尾振動の原因となるプロペラ起振力を、できるだけ小さくするような方法の研究が数多くなされている。その1つの手段として、3・54図に示されるような、プロペラ翼を後方へ湾曲させたスキュー型プロペラが注目されるようになった。

プロペラの変動力を小さくするには、船尾の流れを均一化する事が最も効果的であり、この方法として、船尾バルブ、フロー・コントロール・フィン、ウォータジェットの吹出し等の採用が検討されている。これらは、プロペラの変動力をその原因から解決しようとするものであるがスキュー型プロペラは、流れの不均一性に対するプロペラ翼の感度を弱め、プロペラ自身でその発生する変動力を減少させようとするものである。

 

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3・54図 スキュー型プロペラと普通型プロペラ

 

スキュー型プロペラのアイデアは新しいものではなく固定ピッチプロペラでは約一世紀も前の1883年に、蒸気ランチに、直径約4.7mの2翼のスキュー型プロペラが採用され、好結果を得たという報告がある。最近になり、再び注目を集めてきたのは、プロペラの作用を理論的に取扱う手法が発達し、十分効果の期待できるスキュー型プロペラの設計法が開発されてきた事によるもので、すでにスキュー型プロペラの理論的研究や模型試験による検証について詳しく解説された数多くの報告が発表されている。

 

 

 

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