(9) プロペラキー構造
プロペラ軸のキーみぞに固定されたプロペラキーは、プロペラボス内側に設けたキーみぞの中に嵌め込まれる。
キー付きプロペラのキーの強度は、主機関の伝達トルクに対して十分耐えられるよう計画されるが、実際には主機関の伝達トルクがキーのみで受けるのではなく、プロペラをプロペラ軸に圧入し、押込んだ際に生じる摩擦力によっても十分プロペラに伝達されるよう計画される。
プロペラキーみぞの船首側の形状は、主機関の伝達トルクによる応力集中を緩和するため一般に3・18図に示すようなプロペラ軸表面をスプーン形状に加工することによって、キーみぞの角部からのプロペラ軸のクラックの発生を防ぐことができる。キーみぞの船尾端部は、切り通しするのが一般的である。万一プロペラボンネット内に海水が浸入した場合、浸入した海水がプロペラコーンパート部への浸入を防止する確実な方法として、プロペラ軸およびプロペラの船尾側のキーみぞとも切り通さないで、プロペラ軸とプロペラボスとのコーンパート部を接触させる構造とすることがある。