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3] 分装青銅スリーブ(軸受部)でその間をFRPで保護したプロペラ軸(3・13図)

ただしJG認定品のみ第1種プロペラ軸と認められるが、その他のものは、第2種プロペラ軸となる。

4] 船舶機関規則の承認した耐食性材料で製造されたプロペラ軸(ステンレス鋼鍛鋼品)

(2) 第2種プロペラ軸

1] 第1種プロペラ軸以外のプロペラ軸、例えば、分装青銅スリーブでその間を黄銅板などで保護したプロペラ軸

上記は船尾管内にある船尾管軸にも適用される。

なお、青銅スリーブは、所要の焼ばめしろをもって、プロペラ軸に焼ばめされる。一般に青銅スリーブの内径を公差内に仕上げた後、プロペラ軸外径につぎの値を目標として焼ばめしろをつける。

△=(0.0006〜0.0008)D1

△=焼ばめしろ(直径にて)(mm)

D1=プロペラ軸径(mm)

青銅スリーブの材質としては、船尾管のリグナムバイタ軸受材などとの適合性がよく、安定した摩耗傾向が見られるCAC407(BC2)+0.5%Ni材が用いられる。

(3) 10年プロペラ軸

プロペラ軸の抜き出し検査間隔を10年としうる設計の軸系構造をいうもので、日本海事協会などでは、設計規定が定められており、すでに実績もある。

(4) プロペラ軸のゴム巻き

プロペラ軸のゴム巻きは、プロペラ軸の船尾管軸受に相当する個所は分装青銅スリーブで焼嵌めし、その分装青銅スリーブの間をゴム巻きして、海水からプロペラ軸の軸身部を保護するものである。3・12図に分装青銅スリーブの端部とゴム巻きの構造を示す。スリーブ端部にはアリ溝を設け、ハンダメッキを施した上にエボナイト層およびゴム層をコーティングし、プロペラ軸の耐海水防食被覆を行うものである。

(5) プロペラ軸のFRP巻き。

プロペラ軸のゴム巻きに代る防食法で樹脂(FRP)を積層しながらコーティング(SKSバインデイングと呼ばれる)するもので、プロペラ軸スリーブ端部とFRP接合部は3・13図に示すような形状とし、スリーブ端部と軸との間に特殊パッキンを設けることにより、万一FRPの端部から海水が浸入してもスリーブの端部で防止できる。樹脂材料はスリーブおよび軸に対して極めて接着力の強いものを使用し、プロペラ軸の捩り応力に対しても接着はがれのないもので、ガラス繊維で補強されている。

 

 

 

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