可変ピッチプロペラの場合でも小型のものはコーンパートでプロペラを取り付けるものもある。コーンパートのテーパは一般にキー付プロペラの場合1/10、1/12が多く採用され、最近では採用がすくないが、1/12.5もある。キーレスプロペラの場合は1/20である。コーンパートの長さはキー付プロペラの場合プロペラのキー強度およびプロペラ羽根とボスとの相対寸法などから決定される。キーレスプロレスの場合は、主機関のトルク、プロペラ推力、ねじり振動付加応力などに対して、プロペラがスリップしない条件、ボスの材料の強度およびプロペラ羽根とボスとの相対寸法から決定される。
プロペラ軸は船尾管軸受潤滑方式により、海水潤滑方式と油潤滑方式に大別され、プロペラ軸の構造が異なる。
1) 海水潤滑方式
3・11図に示すような海水潤滑船尾管軸受の鍛鋼製プロペラ軸の場合は、軸身が海水腐食に対して確実に保護されなければならない。プロペラ軸の保護方法により、第1種プロペラ軸と第2種プロペラ軸に大別され、プロペラ軸の抜き出し検査の期間が異なる。
プロペラ軸の抜き出し検査期間は、船尾管軸受の潤滑方式および構造、プロペラの取付構造などにより決まる。原則として第1種プロペラ軸の場合は、5年毎に抜出す。また、第2種プロペラ軸の場合は、3年毎に抜出す。(詳細については、第5章船舶安全法参照)
鍛鋼製プロペラ軸の場合、軸身が海水腐食に対して確実に保護されてないと、プロペラ軸の折損事故につながる。プロペラ軸の保護方法として、主としてつぎのものが採用されている。
(1) 第1種プロペラ軸
1] 全通青銅スリーブ(一体型スリーブ)を装備したプロペラ軸
2] 分装青銅スリーブ(軸受部)で、その間をゴム巻きで保護したプロペラ軸(3・12図)