日本財団 図書館


(c) ブロワ羽根車

ブロワは遠心式のため、回転軸にはめ込まれ、キーまたはスプラインによってトルクが伝達される。羽根入口部は回転方向に湾曲しており、この部分を前翼と云い、これに続く放射状の部分をインペラ、または主翼と呼んでいる。

(d) ノズルとディフューザ(案内翼)

排気タービンが規定回転で効率よく作動するためには、タービンノズルとブレード(翼)の面積と形状が、排気エネルギに適し、送風機のディフューザも機関の所要空気量に適したものでなければならない。送風量が機関の所要空気量より多いときは、送風機にサージングが発生し、風量・風圧が脈動し騒音と振動を発生し運転不可能となる。このような場合には、タービンノズルおよびディフューザを交換することによって適正な性能を得ることができる。

送風機の風量が機関所要空気量より極端に多くなると羽根の前面の圧力が高く背面の圧力が低くなるので流速は羽根の前面で遅く、背面で速くなるため羽根の前面で逆流が起きて渦が発生し空気の流れは不安定になり騒音と振動を発生する。この現象をサージングという。

(e) 軸受および給油装置

現在使用されている給油装置は、玉軸受油浴潤滑方式である。回転軸にはめ込まれた玉軸受は、その外側をダンパで支持され、軸受箱にはめられている。また、軸受外輪は固定されている。回転軸の両端に給油円板がはめ込まれ固定されており、軸の回転とともに給油円板も同時に回転する。潤滑油は円板が2〜5mm入った状態で油面が保持されているため円板が回転することによって、潤滑油は上部に吸い上げられ、その一部は軸受箱上部の潤滑油通路を通って玉軸受の右側に落下して溜り、軸受を潤滑する。

最近の過給機には、軸受給油装置として、補助ポンプが多く装置されている。タービン軸に固定された油噴射筒の内部に、挿入されたニップルは、油吸入囲に固定され、油吸入囲は、軸受箱に固定されている。油噴射筒とニップルは、リングにより空気気密が保たれる。タービン軸の回転により、油噴射筒も同一回転をし、遠心力により、潤滑油を吸入、吐出する。潤滑油吐出口は、玉軸受に至り、玉軸受を、給油する方式がとられている。

玉軸受は軸が高速回転し、温度が60℃〜70℃に上昇するので、特に精度の高いベアリングが必要で、使用時間も6,000時間〜8,000時間に制限し安全を守っている。

(f) 軸気密(ラビリンスパッキン)

過給機の軸気密は空気、ガス、油のもれを最少限にする目的で作られている。軸に輪状の溝をきり、板状の不銹鋼などをワイヤで埋めこんでコーキングにより軸に固定したもので、気密性能にすぐれ、軸と接触した時も損傷が少ないなどの特徴がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION