しかし分解・組立時の取扱いに注意しないと板状鋼のストリップの尖端を損うことがある。また長時間の運転によって、カーボンなどで摩耗することが多々あり、損耗した場合はこれを交換できる構造になっている。
(ロ) 輻流タービン(ラジアルタービン)
ラジアルタービンは、タービン翼車内をガスが半径方向に流れ円周に配列されたノズルを通り、大きな接線速度を与えられる。そしてタービンの羽根に衝突し、タービン軸を毎分60,000〜160,000回転させながら中心方向に流れ、軸端より軸方向に排出される構造で空気流量の小さい場合はアキシャルタービンより優れており小形高速機関に多く採用されている。2・154図にその代表的な断面を示す。
タービンと送風機は1本の軸で連結され、送風機の翼はタービンと同じ回転数で駆動される。送風機の中心より軸方向に流入した空気は回転するインペラを通る時、圧力をあげ、大きな接線速度を与えられて、プロワケース内に入りしだいに減速されながら圧力を増して吸気管に送り込まれる。
タービン軸はタービンホイールとブロワホイールの中間にあるフローティングメタルで支えられている。フローティングメタルはメタル内外面で油膜が二重になり、メタルはつれ廻りするのでタービン軸の回転数よりも軸受面の滑り速度は低くなり動的安定効果がある。
(4) 点検と整備
部品は市販の中性洗剤を用い、付着物が軟かくなるまで浸し、プラスチックスクレーパか剛毛ブラシで洗浄し、最後に灯油に浸して洗浄する。