高圧管は途中振れ止めを設けて振動を防止するようにしたものもあり、このような振れ止めは必らず取付けるようにする、振れ止めがないと振動により高圧管が亀裂を生じることがある。
高圧管内部はピッチングやキャビテーションにより腐蝕したり潰蝕したりすることがあり、外観では判別できないので航海中突然に亀裂やパンクする事故に対して、常に1〜2本程度は予備品として備えておく必要がある。
シート面をカラーチェックにより調査し、亀裂の有るものやシート面に損傷の有るものは交換する。
4) ユニットインジェクタ
ユニットインジェクタは燃料噴射装置の一種で、従来の単筒形燃料噴射ポンプ、燃料高圧管および燃料噴射弁の3者からなるシステムを一体に纏めたものである。1気筒に1セットづつシリンダヘッドに装置されて、シリンダ内に燃料を送り込んでいる。両者の違いを解りやすく概念図として2・101図に示す。
(1) 構造と機能
ユニットインジェクタはエンジンの回転速度や負荷に対して敏感に反応し、次の4つの機能をもっている。
(a) 負荷に見合った適量の燃料を正確に計量噴射する。
(b) 燃料の連続流れを作り、適当な時期に燃料をシリンダ内に送り込む。
(c) 効率良い噴射のために高い燃料圧力を作る。
(d) 燃焼室内で空気と混合し、燃焼しやすいように噴霧する。
すなわちユニットインジェクタは燃料の量の調節、噴射時期の選定、燃料の加圧、そしてノズルよりシリンダ内に噴霧する動作を適切に行なわなければならない。
(i) 構造
ユニットインジェクタは2・102図に示す様にシリンダヘッド内の中央部にフフンジ又はインジェクタクランプに取り付けられている。