〔圧力が高過ぎる場合〕
1] 噴射始めが遅れるが霧化が良くなり、噴射量が少なくなるため完全燃焼し、ガス色は良くなるが出力は低下する。
2] 噴射始めが遅れ噴射期間が短かくなるため最高圧力が下り静かな運転ができる。
3] 圧力が高いので噴射ポンプの寿命やニードル弁シートの傷みも早く、噴射管の管内圧力が高くなるので亀裂を生ずる恐れがある。
(6) 噴霧テスト
噴射弁の形式により噴霧状態は大きく異なる。一般的な噴霧テストによる噴霧状態を直接噴射式および副室式に分けて2・99図に示す。
3) 燃料高圧管
燃料噴射管は噴射ポンプにより圧送される高圧の燃料を噴射弁へ導く燃料高圧送油管であり、通常はインジェクションパイプなどと呼ばれている。高圧管の管内圧力は直接噴射式の場合瞬間的には78.4〜98MPa(800〜1,000kgf/cm2)程度に及ぶため、肉厚の高圧鋼管を使用し両端部は2・100図に示すような形状に成形されている。
高圧管の長さは噴射遅れや管内圧力波と関係があるため、各シリンダとも長さを揃えてある。またセンタが合わず無理に傾いた状態でネジ込むとシート面から噴き漏れを生じシート面を損傷したり首部の段付個所に亀裂が入ったりするため無理な取付けをしないように両方の袋ナットを弛め両端とも無理なく取付けられるようにしてネジを締めることが大切である。