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1] エンジンの回転が早くなるとガバナウエイトが遠心力によって外側に開き、ガバナレバーを介してコントロールラックを矢印の右方向に押してコントロールスリーブを回転させる。コントロールスリーブの回転によってプランジャが右回転すると上・下部リード部は有効行程の小さい方に移動するので燃料の噴射量は少なくなる。従って回転速度は下がるわけである。

 

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2・92図 燃料噴射量の調整機構

 

2] エンジンの回転が低くなるとガバナウエイトがレギュレータスプリングによって内側に閉まりガバナレバーが矢印の左方向に動きプランジャを左回転させるので上・下部リードは有効行程の大きい方に移動する。これにより噴射量は多くなり回転速度も上がってくる。(形式によってプランジャの切り欠き方向の異なるものがあり、従ってラックの動きと燃料噴射量の増減の方向が逆になっているものもある)。

(2) 点検と整備

(イ) プランジャとプランジャバレル

(i) プランジャの点検

プランジャ外周面の摩耗、縦傷、焼付、腐蝕などは圧力漏れや作動不良を生ずるので十分点検する。プランジャとバレルの組立スキマは非常に小さくて一般の計測器具では測定できない。最も良好な状態はプランジャを1/2程度引き出して約30°〜45°に傾けた時、プランジャが自重でゆっくりとバレル内にすべり落ちる位が良い。スキマが多くなるとすべり落ちる速さが早くなると同時にプライミング時の圧縮が少くなる。

 

 

 

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