(2) 点検と整備
1] ヤブスコポンプ
a ゴムインペラやカムの摩耗を点検し、摩耗や損傷の激しいものは交換する。
b 軸とインペラの嵌合を点検しガタのある場合は軸も交換する。
c ベアリングを点検し、異常のある場合はベアリングを交換する。
d メカニカルシールを点検し、傷、摩耗しているものは交換する。
2] 渦巻式ポンプ
a ポンプ軸をスラスト方向へ動かし、スキマの大きいものはインペラとケーシングが干渉しないようにシムを挿入して調整する。サイドクリアランスはインペラとケーシングが干渉しない範囲で極力少さくすることが必要である。
b インペラのキャビテーションエロージョンなどの有無を点検する。
c ベアリングに異常がある場合はインペラがケースに干渉するためのベアリングを交換する。
d 軸の曲りを点検し、曲りのある場合は修正又は交換する。
e メカニカルシールを点検し、傷、摩耗しているものは交換する。
3] プランジャ式ポンプ
a プランジャの外径とシリンダ内径を測定し、スキマが使用限度を超える場合はプランジャを交換する。又シリンダ内径が摩耗している場合はスリーブを製作して挿入するか仕組で交換する。
b 吸入弁、吐出弁および弁座の当りを点検し、シート面の損傷などは修正するが弁を交換する。
c 弁と弁案内の摩耗や作動を点検し、修理限度を超えるものは交換する。
d 弁バネのへたり折損、損耗などを点検し、異常があれば交換する。
2) 清水クーラ(清水冷却器)
(1) 構造と機能
チューブ内に海水を通しチューブ外を流れる清水の温度を下げるようになっており、さらにサーモスタットを配し、清水温度を一定に保っている。
また、チューブの上部にタンク部分を設けている他、清水循環系統は0.09MPa(0.9kgf/cm2)程度の圧力キャップで圧力をかけ水の蒸発温度を上げキャビティションの発生を防止している。2・82図に多管式およびプレート式の清水クーラの一例を示す。
(2) 点検と整備
冷却効率が低下すると清水の入口と出口の温度差が少くなるので判断できるがそのためには新品納入時の運転データに海水および清水の温度を併せ記録しておくことが大切である。水あかが堆積して、水通路が詰ったりすると冷却効率が低下するため1年間に1回程度は分解清掃することが必要となる。