次にスカート部の外径を2・41図のようにマイクロメータでA、B方向に測定し、シリンダライナ内径とのスキマを算出チェックし、使用限度を越えるものはライナ又はピストンを交換する。ライナとの組合せスキマの指定があるものはそれに従うこと。
裏面に油焼けが出ていれば冷却不足であり、殆んどの場合、スカッフ、焼付きなどを生じているので交換しなければならない。オイルジェットの噴孔の向きが悪い場合もあるのでチェックする。ピストンピン穴内径をA、B方向に測定しピストンピン外径とのスキマを算出する。油穴がある場合は穴部をさけ両側の軸受部中心で測定する。
ピストンのリング溝のカエリや引っかかりなどは2・42図のようにして新品のピストンリングをはめ込みながらリング溝の外周を一回転させて点検する。ピストンリング溝とピストンリングのサイドクリアランスは2・43図(a)のように新品のリングをリング溝に入れ、リングとリング溝のスキマをスキミゲージを入れて計測する。スキマが使用限度を越えるものはピストンを交換する。キーストンタイプは2・43図(b)のようにストレートエッジを当ててリング位置を固定しスキミゲージでサイドクリアランスを測定する。サイドクリアランスは全周を6等分した箇所で測定する。ピストンリングを交換したときはピストンのリング溝へリングを軽く押し込んでリングの外周がピストン外周より溝の内側へ2・44図のように引込んでいることが必要で、もし飛出しているとリングの焼付折損を生じる恐れがある。又、強制冷却形のピストンの場合は油通路、油溜の洗浄を十分に行うこと。