14) 変圧器
交流電流の最大の利点は「変圧器(トランス)」によって、電圧を自由に上げたり下げたりできることである。
補・72図ように1次コイルに電池をつなぐとスイッチを開閉するときだけ電球がつくが、スイッチを閉じたままのときは電球はつかない。これは、前項で説明したように、スイッチを開閉することによって、1次コイルでつくられる磁界が変化し、2次コイルを通る磁力線が変化し、2次コイルに誘導起電力が起きるからである。
次に、1次コイルに交流電圧を加えると、スイッチを開閉しなくても、電球はついたままになる。これは交流電圧が周期的に変化するからである。このようにして、1次コイルに加えた交流電圧を、2次コイルに伝え、そのなかだちをするのが磁界(磁力線)である。実際の変圧器は補・73図のように薄いけい素鋼板を積み重ねて鉄心にして、その周囲に1次、2次コイルを巻き付ける。
変圧器は次のような関係が成り立つ。