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補・59図のように絹糸の下端に発泡スチロールの小片と、アルミホイルの小片をそれぞれ結びつけたものを、電気スタンドのかさなどにスチロールでとめておき、ガラス棒を絹布で擦り、ガラス棒に静電気を起こすと、ガラス棒にはプラスの電気が帯電する。このガラス棒をこれらの小片に近づけると、いずれもガラス棒に引きつけられ、ガラス棒に接触したのち、アルミホイルは直ちに、発泡スチロールはしばらくしてから、ガラス棒と反発して離れてゆく。明らかにアルミホイルの方が、発泡スチロールよりも鋭敏な運動を起こすことがわかる。

 

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補・59図

 

アルミホイルは金属で、電気をよく通す導体で、発泡スチロールは電気を通しにくい不導体である。

物質には、電気を通しやすいものと、通しにくいものがある。

銅、鉄、アルミニュウムなど一般に金属は電気をよく通すが、金属以外でも炭素などは電気をよく通し、これらを導体と云う。これに対して、ガラス、瀬戸物、ゴム、プラスチックなど電気を通しにくい物質は不導体、または絶縁体と呼ぶ。固体以外では、例えば純粋な水は不導体であるが、塩分や酸、アルカリなどが溶けこむと導体になる。

4) 動電気:電流

電気の流れは、よく水の流れに例えられるが、今まで話してきた静電気はちょうど湖沼にたまった状態で、川に流れている状態、すなわち流れる方の電気を動電気と云う。

物体を擦って摩擦電気を起こしたとき、物体に電子が集まっている状態を「マイナスに帯電した」と云い、逆に物体から電子が去っていった状態を「プラスに帯電した」と云う。

水は傾斜があるところでは、高い方から低い方に流れる。

電気では、マイナスに帯電した物体とプラスに帯電した物体とを、針金などでつないだ場合には、静電気もじっとしていずにたちどころに流れ、いったん流れだした静電気は、もう普通の流れる電気と同じものなのである。

 

 

 

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