又、零ドループに近いか、負のドループになるとハンチングを生じる。
速度変動率を小さくし安定した運転ができるように(発電機セットの場合)調整し、客先要求を満足させる。
d) 電気式ガバナ(EG形)
ゲインを増(時計方向へ回す)せば応答が鋭敏となり、回転が不安定になってくるので、スタビリティで回転を安定させる。ゲインは、出来るだけ時計方向へ回し、回転が不安定になる手前で止め、負荷を段階的に変化するか、スピードコントロールレバーのリンクを素早く動かして点検し、不安定ならばスタビリティを回して調整する。スタビリティで安定が得られぬ場合は、ゲインを反時計方向へ戻して、スタビリティで安定させる。
但し遅い周期の、ハンチングの時は、ゲインを時計方向へ回し、スタビリティで安定させる。
e) 電気式ガバナ(DINA-1形)
下図は、カバーを外した内部を示す。Aの調整は無負荷状態で、アクチュエータが急速に振動(ハンチング状態)するまで、徐々に時計方向へ回し、ハンチングが止まるまで、反時計方向へ戻す。ハンチング状態のまま使用すると、アクチュエータが故障することがある。
アクチュエータのハンチングが止まらない時はゲインを徐々に反時計方向へ回して止める。
ゲインは通常、時計方向へ回し、ハンチングを始める手前で止める。
ゲイン、A、Dの各ポテンションメータのセットが完了したら、電源スイッチをOFFにして、機関回転速度が約1/2程度に低下したところで、再び電源スイッチを入れる。
機関回転速度が、セット回転より、オーバシュート(回転が高くなる)するならば、Iを反時計方向へ回して、セット回転を得られるようにする。
セット回転へ戻る時間が長過ぎる時は、Iを時計方向へ回す。
これらは全て無負荷状態で行ない繰返し調整すること。
A、D、DROOP、GAINを調整することによって、回転速度のセットが若干変化するので、SPEEDポテンションメータで正確に回転速度を合せる。
この時、DROOPが上記の調整時より、増加(時計方向)している場合は、Aを若干反時計方向へ回し、GAINをわずかに時計方向へ回して安定させる。