これらは機関の品質を所要の性能スペックで、メーカが保証できる条件として、また機関の安全運転を確保する条件として制限しているものであり、万止むを得ない場合を除いては、絶対に、これら制限装置の封印を切ってはならない。スモークセットや最高回転速度の制限封印を万止むなく解除して再調整しなければならぬ場合は、次の要領に従って実施しなければならない。
1] メカニカルガバナ(RSV、RSUV形)
(ア) スモークセットの調整
その機関が許容している最大出力及び回転速度で、動力計の荷重を合せ、安定した運転ができる状態で、右図の燃料最大噴射量位置をフルロードストッパネジで調整する。
但し、その時の気温並びに大気圧力により出力を修正し、その修正出力に応じて動力系の荷重を算出しなければならない。
(イ) 無負荷最高回転速度の調整
その機関の仕様により無負荷最高回転速度が異なるが、一般的には下記の範囲になるよう調整しなければならない。
・ 発電機セットの場合
定格回転速度の108%以内とする。
・ 一般動力用の場合
定格回転速度の115%以内とする。
この調整中は、機関がオーバランとなることがあるので、十分注意しなければならない。
2] メカニカルガバナ(RUV、RQUV形)
(ア) スモークセットの調整
図示のラックセットの位置を若干移動して、調整する。噴射ポンプ側へ移動すると噴射量が増加し、反対側へ移動すると減少する。
修正出力に応じて動力計の荷重をセットしなければならない。