5] 海上運転
次の試験を行う。
a] 負荷試験:連続最大出力の3/4、4/4、110%を行う。
b] 4/4負荷運転中に速力、左右旋回、前進中後進試験を行う。
c]上記a]b]について成績表を作成し提出する。
この海上運転に乗船する機会があると考えられるため、運転成績の採取や出力の計算方法等に慣れておくとよい。
6) その他の運転性能の検討
整備士としても、本船に搭載された機関が色々な角度から検討されることが機関を扱うエンジニアとして仕事の参考となると思い説明する。
1] 過給機・空気冷却器を含む吸排気系統の検討
最近の機関は、いわゆる高過給機関であって、その性能を持続するためには機関運転中の過給機の回転数と給気圧力を保つことが大切なポイントとなっている。
そこで、陸上試運転の成績より過給機の回転数と給気圧力をピックアップして、その関係を縦軸に給気圧力、横軸に過給機回転数を取って平面上に表しておくと過給機性能をチェックするために有効である。
5・32図は154頁5・3表の成績より作成したものである。
例えば、整備後の試運転時の成績が◎の通りにプロットされたとすると、次のことが検討されなければならない等に利用する。
a] 吸入空気温度(機関室温度)が高くないか。
b] 過給機空気吸入フィルタの掃除が不十分か。
c] 機関室への通風量(供給空気量)の不足か、あるいはメカベンが故障していないか。