次の5・33図は154頁5・3表の成績より燃焼最高圧力と給気圧力の関係を表したもので、縦軸に燃焼最高圧力、横軸に給気圧力を取り平面を作ったのである。
例えば、この平面上に整備前の本船データよりピックアップしたものを●、整備後の試運転成績を○でプロットしてみる。
その結果、次のようなことが判明する。
a] 整備後の試運転のデータは、やや最高圧力が低いが機関の経年疲労等を考えれば正常であり、整備が問題なく行われたことを証明している。
b] 整備前のデータは、給気圧力に対して最高圧力が低く、ピストンリングおよびシリンダライナの摩耗、吸排気弁のシートの不具合等が想像される。
c] また、整備前のデータより、最高圧力は燃料ポンプの性能を受け易いためまず燃料ポンプの突き始めのタイミングをチェックしてセッチング表の通りであれば、ポンプのプランジャ・バレルの摩耗も想像され、燃料ポンプの圧力テストをリコメンドしている。
d] これより、整備の方案をたてる資料にもなる。