資料:(財)地方自治研究機構「地域政策研究第11号」
(「まちづくりとひとづくり」(株)黒壁代表取締役社長笹原司郎氏執筆論文)
(3) 株式会社黒壁の取り組み
1] 大規模店舗との差別化、商店街との競合を勘案し、産業観光としてのガラス市場に着目
(株)黒壁が設立された段階では、事業内容は決まっていなかったが、買い取った黒壁銀行の保全・活用を考える際に、中心市街地の活性化も視野に入れた展開を模索する上で、1]郊外の大規模小売店舗など大企業では真似の出来ないもの、2]商店街との取扱業種と競合しないもので来街者増を図ることのできるインパクトのあるものという視点で、黒壁の建物を含めた「歴史性」、400年伝承継続した曳山祭りを含めた「文化芸術性」、世界に通じる本格志向を含めた「国際性」の3つのテーマを満たす事業展開が模索された。
長浜市とガラスは縁がないが、産業観光としてのガラス市場の可能性に着目し、長浜を日本のガラスのメッカにしようという経営者の強い信念のもとで、平成元年に黒壁ガラス館を開館した。