○若年層あるいは仕事で忙しい男性にとり、町内の団体行事への参加意欲の低下を感じさせる発言が多い。何のためにやっているのかを含め町内の団体活動について再考が必要な時期に来ている可能性もある。一方、花火大会などは町の誇りとして定着しており、こうした行事を運営する人は意欲が高い。しかし、やる人、見る人という立場が分かれてきており、町民一体的な行事運営の必要性を説く意見も出された。
c. 町にあるとよいもの
○若年層ではアミューズメント施設(例えば映画館、飲食・物販の複合施設)という声もあった。
○主婦からは、子供が安全に遊べる場所、遊ばせられる場所が必要との声があった。また、遊休農地をもっと活用してはどうかとの意見も出された。
○高齢者からは、車の運転ができない人もおり、町内の公共バス等や移動手段の確保の必要性が指摘された。主婦からも、将来歳をとった時に不安という声があがった。
3] 町のあるべき姿と町民としての係わり
ここでは、属性間の一致点・相違点ではなく、今後の町の姿とこれに対する町民自身がどのように関わろうとしているのかについて整理する。
a. 後代に残したい自然環境
○豊かな自然環境を子孫に残したいという願いは、属性に関わらず共通するものであった。しかし、どこを残したいかという点については各属性、個々人に異なり、筑後川、宮地嶽、山麓の沢筋、ため池、花の名所等が町民の大切な場所として浮かび上がっている。一方、水田等農地については、残すべきものという発言は希薄であった。
b. 安心して暮らせる町への要望
○農業・工業・商業のバランスよい発展を願う声が多い。これは雇用の場を求める声と同一のものである。二次産業の立地の少なさ、商業機能の弱さが要因であるが、農業一辺倒の産業展開への再考を促す意見とも考えられる。
○確かに、意欲的な専業農家が多い町ではあるが、競合条件は年々厳しくなっている。加えて、後継問題については商業事業者だけでなく町の主軸とされる農業とて同じである。こうした意味で、安心して事業を承継しえるようなまちづくりを望む町民の姿が現れている。
○町の産業政策として、例えば農業では、系統的な流通手段により、大都市圏へ農産品を供給する現状の農業生産だけでなく、朝倉において新たな農産品育成のマーケティング等を行うために福岡都市圏や久留米市等市民との交流を通じた新しい複合的な事業展開ができるような工夫についても考えるべきあろう。