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農業の集落単位での集団化は、コスト削減には役立つが、新しい農業のあり方に本当に結びつくのか、別の考え方はないのかもう一度考えていくことが求められているのではないか。

○朝倉の農村景観と豊かな自然資源の認識を踏まえつつ、土地利用や機能誘導を考慮した適業適所という発想と農業や観光・商工業が複合的に連携し、展開する産業おこしが可能となるようなしかけづくりも求められてこよう。

○同じように高齢者を町内全体で考えて欲しいという意見も安心して暮らせる町を望む声として指摘しておく必要がある。例えば、車があれば便利な町は車という個人の足がなければ全く不便な町へと直ちに変化してしまう。多様な世代が安心して暮らせる町づくりの視点が必要となってきている。

c. 町民のまちづくりへの係わり

○ここで懸念が感じられるのは、個々町民のまち全体をみる視点の欠如である。すなわち、個として自己の事業・活動展開には意欲を持つものの、それを町の発展の中で位置づける、結びつける視野の広さに欠けている。目先の利益追求や視野の狭さが過去の事業構想を頓挫させていった要因ではないか。

○本来町内の町民団体が、まちづくり等に関しても世代間の意見や業種間の意見を集約し行政と協働してまちづくりを実施する機能を持っていたが、徐々にその機能を失い、上位下達機能・ボランティア調達機関と化し、さらには構成員のアイディア等を抑止している可能性が高い。

○すべての団体がこういった傾向にあてはまる訳ではないが、既往団体のあり方と町民の参加意欲、多様なアイディアを町民主導で展開できるような仕組みづくりが求められているのではないだろうか。

○一方で指摘しておきたいのは、町内には、何かやりたい、町のために役立ちたいと考えている個人が確実に存在するということである。こうした個人としての意欲、創意工夫を具現化するために、従来の世代間毎の団体や業種内団体の枠組みではない、町民縦・横断的な組織の必要性である。現状のままでは、意欲をもった町民が自由に活動し、事業をする環境ができず埋もれたままになってしまう可能性が高い。

 

 

 

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