b. 町内における日常生活の様子、町にあればよいもの
○車がなくては暮らせない町、車があれば便利に暮らせる町という認識は共通している。大分自動車道のICもあり、福岡にも直結している都市間の道路交通上の利便性が高い点は価している。一方、町内に視点を移すと、ちょっとした日常品や医者(例えば小児科)などは町内で対応出来ない。
○総じて町内の商業機能の弱さを指摘する声が大きい。例えば、忙しい主婦にとり、夜も開いている店が町内にないことは非常に不便であるとの声があった。
○自分の町は自然が豊かに残っているという認識は共通している。しかし、この自然を活用して町内外の人が遊べる、時間を過ごせる場所がないという指摘があった。一方、多くの人は自然は豊かだが、新鮮味はないと感じている。
○既往の組織(住民団体等)の役割、機能と個人の自己実現意欲、夢等との乖離を示唆する指摘がなされた。
c. 町内資源について
○三連水車や橘の広庭等の公園整備については、中途半端という意見が比較的共通した。下手に手を入れた公園整備をするより、昔の方が風情あったという意見に集約される。
1] 世代間、男女間での認識の差異
a. 町内で好きな場所
○男性は、年齢に関わらず幼少時に過ごした、あるいは遊んだ場所が心象風景として残っている。こうした場所は自分の子供世代にも残したいとしている。例えば、山麓の沢筋などは釣りやアウトドアの場所として挙げられている。
○女性に特徴的なのは花である。桜・蓮・藤・菜の花など季節の変化を感じさせる花のシーンは女性にとり大切な場所という認識がある。
○高齢者女性からは史跡などへの関心が高まりつつある。町内に散策ルートを設けてはといった提案も出された。
b. 町あるいは農村としての風土への思い
○高齢者女性からは、かつて集落単位でなされていた行事の復活と継承を望む声があった。これらは農村行事等の集落単位での実施であったと想像されるが、行事の承継を通じて連帯感・責任感の醸成を促している。こうした意見の背景には、近年の少子化の流れや核家族化によって家族やコミュニティ単位で高齢者への配慮が欠如(コミュニティ内での連帯感の喪失)していることの遠因と考えている様子がうかがわれた。