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b. 橘広庭宮跡周辺

西暦661年に斉明天皇が朝倉の地で皇居を造営した場所とされている。背景には標高122m程度の低い山が位置し、それを背に朝倉扇状地を見るといった蔵風得水(注)型の立地環境になっている。

橘広庭宮跡周辺には、長安寺跡、猿沢の池、朝闇神社、天子の森、宮野神社等が位置し、歴史的遺産の集積が高いエリアとなっている。

現況においても、駐車場やトイレ等の便益施設をはじめとした公園整備が行われているが、来訪者の影は薄い。その理由として、誘導路がわかりづらいことが挙げられる。

 

写真2-15 橘広庭宮跡

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写真2-16 猿沢の池

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(注)蔵水得水:都城や住居、墳墓などの占地(立地)に、地形や方位についてその吉凶を判断し、立地に適当な場所か否かを占う理論として風水思想があり、その中で蔵風得水(水を引き入れて、こもりすぎず、散りすぎず、なお水を得るの意)の地を理想としたといわれる。具体的な地勢としては、背面(三方)を山に囲まれ南のみ開け、前面に平地流水を臨むという空間構成とされ、日本の伝統的な都(平城京、平安京、厳島神社、鎌倉など)の占地空間は、この系譜の上に位置しているといわれている。

 

 

 

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