(3) 歴史的遺産の立地把握
1] 代表的な歴史的遺産
本町には、数多くの歴史的遺産が現存しているが、中でも斉明天皇あるいはその時代に由来するものが多い。本項では、それぞれの歴史的遺産の立地把握に先立ち、代表的な遺跡を取り上げることとする。
a. 宮地嶽神社と宮地嶽古墳
宮地嶽神社は、斉明天皇が百済救済の際に、神功天皇が宗像の宮地嶽で戦勝を祈願した故事に習い、天地の神々を祀り、戦勝を祈願した場所とされている。付近には前方後円墳の宮地嶽古墳がある。この古墳は、全長約50m強、前方部幅20m、後円部30mの大きさとなっており、円筒埴輪の破片も発見されている。
ここは平野部に突き出した形で位置する標高109.6mの山で、最寄の平野部との標高差は約70m程度である。第2章3項の写真のように、本町全域をはじめ広く筑後平野まで見渡せる場所となっており、頂上には小規模な広場が設置されている。
この場所は、歴史的遺産という側面以外に、町内を見渡す眺望ポイントとしての活用が期待される。また、春には桜の花が美しく、行楽客も多いという。