本市における産業観光を効率的、効果的に展開するためには、陶芸への関心がどちらかといえばうすい、児童・生徒や若い女性などを対象とした話題性のある催しなどを通して、メディアを活用したPR活動を積極的に進める必要がある。
イ 美濃焼ブランド名の向上
東濃西部地域は、陶芸ファンには美濃焼産地として全国に名を馳せているものの、一般消費者にとって東濃西部地域の位置・場所・生産形態などについては、十分に周知されているとはいい難く、美濃焼としてのブランド名も十分に知れ渡っているとはいえない。
産業観光を展開するためには、美濃焼産地としての知名度を広く発信することが前提である。このためには、各窯元の製品に事業所名とともに美濃焼であることを併記するなどして、各窯元や地域全体が協力し美濃焼ブランドとしての名声の確立と知名度の向上に積極的に取り組む必要がある。
ウ 市民のホスピタリティ(注)の涵養
アンケート調査による本市への観光動機は、新聞及び知人などからの口コミが上位を占めている。これは、本市を訪れた観光客に対する市民のホスピタリティなどを通して好印象を植え付けているのに他ならない。
観光客の拡大を図るためには、新聞などのメディア活用と併せて、市民のこれまでのホスピタリティの一層の涵養が最も効果的な手法であるといえよう。
(注) ホスピタリティ
親切なもてなし、歓迎等を意味する言葉であり、そこから発展し、人をもてなす心、思いやり、態度の総称として使われるようになっている。
エ 東濃西部3市1町の連携強化
本市をはじめとする東濃西部地域への集客力を高めていくためには、美濃焼のブランド名の向上と合わせて、その産地としての東濃西部地域を高めることが必要である。このためには、3市1町の連携・共同によるPR活動やイベントなど、一層の連携を進める必要がある。
一方、東濃西部地域3市1町を俯瞰すると、陶芸愛好者へのサービス内容は、陶芸鑑賞、購入、作陶体験など、極めて類似したメニューである。今後は、3市1町がそれぞれ特色を活かしたまちづくりを展開することが必要である。