観光客が出す宿泊先の要望事項としては、部屋にテレビがある、オーナーの趣味等宿泊先の行事・イベントに参加を強いない(でも面白そうなら自由に参加したい)、部屋が独立していること等が多い。(地元業者)
○追加投資
客室の広さ、防音、浴室、洗面場等施設が昔のコンセプトのまま。S50年代はこれで訴求できた。しかし、今この設備での料金設定では、高いのではないかとも思えるときすらある。
個人経営者に条件の良い資金供給もないため、オーナーとしてリニューアルしたくてもできない状況もある。しかし、その結果顧客層の変化やニーズに対応した追加投資ができていないことが問題だ。(業界団体)
○経営システムの見直し
オーナーはもっと他の宿泊施設を見て、勉強すべきだ。現実を見ることが必要である。
オンとオフの稼動差(繁閑差)がありすぎる。もう少し、平準化するよう工夫が必要。
また最近ホームページなどを作って積極的に市場に売り込んでいるところもあるが、こうしたITをベースにしたビジネス手法を上手く使うことも重要である。(業界団体)
○地域の高齢化問題
昭和50年代におおよそ40歳代で開業したオーナーは今60歳以上になろうとしている。開業当初、家族経営の中で十分子供の面倒もみれなかったオーナーも多い。こうしたことが影響してか、二代目にスムースに移行できていない。それもあってか、また借金してまで(再投資してまで)ペンションをリニューアルしようという意欲も湧いてこないし、勉強意欲も減退しているのではないか。(業界団体)
(6) ヒアリングから得られる示唆
1] まちのことを考える(見つめ直す)ことの必要性
往々にして起こるのは地元のことについて地域の人が知らないということである。ヒアリングでもこの点が指摘されている。これでは、地域の良さ、売りになるものを来訪者に提案することができない。「小淵沢町は何が売りなのか」よくわからないとの指摘もあった。「高原リゾート」自体のイメージが希薄化する中、中央道やJRなど首都圏、中京圏から比較的短時問で結ばれているという点だけで人が来ている(通過している)ことも考えられる。また、これまでの成功体験にとらわれずに、もう一度地域やまちのことについて振返り、考え、新たな訴求点を見出す、目標を設定することも重要である。こうしたことを考える時間をとることの方が目先の利益を追求より有益である。