事例2 丹南広域組合(広域的窓口サービス)
1 概要
丹南広域組合は、2市7町2村(武生市、鯖江市、今立町、池田町、南条町、今庄町、河野村、朝日町、宮崎村、越前町、織田町)によって構成されている。構成市町村全体の人口は191,229人、面積は1,006.96km2である。人口規模が最も大きいのは武生市71,109人、最も小さいのは河野村の2,446人である。地勢は、福井県の中央に位置し、日野川流域に広がった平野部と、東西の山間部で構成されている。圏域の東部は大野市や岐阜県と接し、西部の地域は日本海に面している。
2 導入の経緯
生活圏の拡大や市民生活の多様化が進展するなかで、丹南広域組合においても圏域の交流人口が増加している(とくに武生市や鯖江市への通勤者の流入が増加している)。
住民が住民票の写しや印鑑登録証明書の発行を受けるには、仕事を休んだりあるいは他人に頼んだりする必要があった。こうした状況に対処し、圏域住民の利便性を向上するため、広域交付システムを導入した。
3 導入時の問題点
広域システムの導入にあたって問題となったのは、1]手数料の統一、2]土日・夜間における職員対応、3]費用負担の3つであった。こうした問題に対して、以下のように対処した。
1] 住民票や印鑑登録証明書などにかかる手数料は、1件あたり300円−9団体、200円−2団体と市町村によって異なっていた。各団体の調整後、一体的な行政サービスの提供という考えのもとで300円で統一した。
2] 当初、各団体で土日・夜間の対応が異なっていたが、時間外における自動交付機による住民票の写しなどの交付を規定する「宿日直者心得」を各団体で統一して作成し、サービス提供を行っている。
3] システム導入に伴う各団体の負担については、人口割と均等割の2つを組み合せることによって団体間の調整を図っている。具体的には、システム開発委託料や電算室整備工事費などシステムの整備に関する費用については、広域住民に共通に負担すべき費用として人口割70%、均等割30%とし、電算機などのリース料や保守料などのシステムを運用に関する費用については、同システム利用者の割合などを勘案して人口割90%、均等割10%としている。
4 セキュリティ
ホストと自動交付機間を高速デジタル回線で接続し、1対1の通信方法によりアクセスを限定したネットワークを形成している。
1] 請求者選別カード(通称:たんなんカード)の発行に際して、4桁の暗証番号を設定している。なお、カード発行に関する届け出は本人のみとし、代理人による届け出は認めていない。
2] 同システムは、各市役所・役場内に1台(武生市は2台)、鯖江ウェルカムセンター及び武生市立図書館分館のあわせて14台が設置されているが、各設置場所とも、申請する際暗証番号が他人にわからないような配慮がなされている。