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ただし、石川県も独自に「ホット石川」と銘打った同様の取組をしており、これとの内容的な重複という問題をどう克服していくかが課題となっている。また、割引施設が公営の施設に限られてしまっているため、会員のメリットが若干乏しくなってしまっている。

○包装紙

白山連峰合衆国への認知度を高め、その魅力を知ってもらうために、白山連峰合衆国旗を図柄にした商品包装紙を製作し、趣旨を理解してくれる域内の商店に使用してもらっている。この包装紙を使用しているのは公的施設が中心であり、道の駅にテナントとして入っている店舗でさえこの包装紙を使用していないなど、必ずしも定着はしていない。

○音楽祭

アスペン国際音楽祭を誘致し、平成7年に、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の5村で、平成8年に尾口村で、平成9年に鶴来町で、それぞれ開催した。

○広報誌の発行

建国10周年シンポジウムの際に出た意見などに基づき、合衆国国民に過去の事業や今後の方向性を周知するため、平成12年A4両面刷り1枚の広報「ふもと通信」を発行した。

合衆国の取組に対する域内住民の認知度は低く、積極的な参加・協力を得られていないため、事務局としてはもっと分量のある広報誌を旬刊程度で発行したいと考えているが、構成町村からは不要論もある。

 

6 取組のうえでの苦労・今後の課題

○現状において意思決定などは行政主導で行われており、十分に民間の意見が反映されていないので、運営に民間の意見をもっと取り入れていく必要がある。

○6町村の足並みがなかなか揃わないために、行動が著しく制約され迅速な対応が難しい。

○6町村間の調整を事務局で直接行おうとすると、各町村の担当課から制止されるなど、事務局としての権限が弱いため動きがとりにくい。

○観光連合体として位置付けられておきながら、合衆国への負担金とは別に各町村も観光関係予算を計上しているため、各町村独自の事業と合衆国事業との棲み分けが難しい。約1億円程度にものぼる各町村の予算が一体的に使われないため、二重投資的な無駄がある。そのため、思いきった重点的な使い方ができず、十分な事業効果をあげにくい。

○役場や議員は、直接的な経済効果を期待しすぎ、知名度の向上による中長期的・波及的な効果を待てない。このため、個々の事業が一回限りの事業になり、息の長い取組ができないために、十分な効果をあげられなくなっている。

○こうした状況にも関わらず、ひと頃ブームだったミニ独立国のなかで今日まで生き残っている数少ない例であるため、毎年、複数の自治体・研究者などからヒアリング調査を受けている。このように外から注目されているということを、住民、役場職員、議員には十分に理解・共有されていない。

 

 

 

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