地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令の公布について
(自治省行政局行政課長通知)
自治行第84号
平成7年11月1日
各都道府県総務部長殿
各指定都市担当局長殿
自治省行政局行政課長
地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令の公布について(通知)
地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令(平成7年政令第372号。以下「特例政令」という。)については、新たな「政府調達に関する協定」(以下「協定」という。)を受けて制定され、平成7年11月1日公布された。この協定及び特例政令に関しては、平成7年11月1日付け自治行第82号自治事務次官通知及び同日付け自治行第83号自治省行政局長通知が発せられたところであるが、これらの運用上の留意事項等について以下のとおり通知するので、その取扱いに遺憾のないよう御配慮を願いたい。
第1 総論に関する事項
1 協定の適用対象となる調達契約に関し各都道府県及び指定都市の規則において規定を要する事項については、行政局長より通知したところである(平成7年11月1日付け自治行第83号)が、規定の整備がなされない場合には、協定に抵触することとなる事項も含まれるものであるので、当該規定の整備に遺漏のないよう格別の配慮をされたいこと。
2 特例政令の適用対象となる調達契約(以下「特定調達契約」という。)は、都道府県及び指定都市(以下「特定地方公共団体」という。)の締結する調達契約のうち、その予定価格が適用基準額以上のものであるので、特定地方公共団体の締結する調達契約であっても適用基準額未満のものについては特例政令は適用されないものであること。また、指定都市以外の市町村の締結する調達契約については、予定価格の額如何にかかわらず、特例政令は適用されないものであること。
3 特例政令第12条の規定から、一部事務組合及び広域連合については特定地方公共団体が加入するものであっても、これらに係る調達契約については特例政令は適用されないものであること。
4 都道府県又は指定都市の出資、出絹等に係る地方公社、財団法人、株式会社等(いわゆる第3セクター)に係る調達契約については特例政令は適用されないものであること。
5 特定調達契約については、一般競争入札又は指名競争入札により契約を締結しようとする場合はもとより、随意契約により契約を締結しようとする場合においても、内外無差別の原則に沿って、契約の相手方の適正な選定を行われたいこと。
6 特定調達契約については、協定において、商標等を特定して一般競争入札又は指名競争入札に付することを禁止(ただし、「又はこれと同等のもの」等の文言を付加したうえ商標等に言及することは妨げない。)しており、また、随意契約により契約を締結できる場合が施行令の規定に比べ制限されていることにかんがみ、入札手続の適切な運用に努められたいこと。
7 特例政令上、調達に関する定義はないが、買入れ、製造及びこれに伴う供給(個別の発注に係るもの)、借入れ、役務の提供等、およそ考えられるあらゆる形態の調達を含むものであること。
8 特例政令第3条第1項第2号の「事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は商工組合若しくは商工組合連合会」は、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)及び中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)に基づく団体であること。
第2 契約の評価に関する事項
1 地方公共団体の調達契約には、物品等と役務の双方を包含する混合的なものも存するが、こうした調達契約においては、主目的である調達に着目し、全体を当該主目的に係る調達として扱い、当該契約の全体の予定価格(主目的以外の物品等及び役務に係る価額を含む。)により、適用基準額に達するか否かを判断すべきものであること。
2 協定対象外の役務(附属書1日本国の付表4に掲げられていないもの)を含んだ混合的な調達契約の場合において、主目的が協定対象外の役務の調達となったときは、特例政令に関しては適用対象外となるものであること。
主目的が物品等又は協定の対象である役務の調達契約である場合には、適用基準額に達するかどうかの判断の前提である予定価格の積算に際し、協定対象外の役務に係る価額であっても予定価格に含めて算出すべきものであるので留意されたいこと。
3 特例政令第2条第6号に規定する「一連の調達契約」の判定に際しては、「同一の種類」か否かを、機能、性能又は規格等が同等であって特定地方公共団体の同一の需要を充たすものか否かによって判断すべきものであること。
4 特定地方公共団体の長が、契約締結権限を各部局、出先機関の長等に委任している場合、特定地方公共団体の需要の判断は、各々の契約締結権者ごとになされるものであることから、これらの契約締結権者を通じて特定地方公共団体の需要を一のものとして「一連の調達契約」の取扱いをする必要はないものであること。
5 「一連の調達契約」の判定は、通常、会計年度ごとに行うものであること。
6 いわゆる単価契約を行った場合においては、単価に予定数量を乗ずることにより支出予定相当額を算出し、特例政令の適用基準額に達しているかどうかを判定すべきものであること。