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3 紛争解決機関は、小委員会を設置し、小委員会及び上級委員会の報告を採択し、問題について勧告又は裁定を行い、裁定及び勧告の実施を継続的に監視し並びにこの協定に基づく譲許その他の義務の停止又はこの協定に違反していると認められる措置の撤回が可能でないときの救済措置に関する協議を承認する権限を有する。ただし、この協定の締約国である世界貿易機関の加盟国のみが、この協定に係る紛争に関する紛争解決機関の決定又は行動に参加する。

4 小委員会は、紛争当事国が小委員会の設置の後二十日以内に別段の合意をする場合を除くほか、次の付託事項を有する。

「この協定(及び紛争当事国が引用したその他の対象協定の名称)の関連規定に照らし(当事国の名称)により文書(文書番号)によって紛争解決機関に付された問題を検討し、及び同機関がこの協定に規定する勧告又は裁定を行うために役立つ認定を行うこと。」

この協定及び紛争解決了解附属書一に掲げるその他の一又は二以上の協定の双方の規定について当該紛争当事国の一が援用する紛争においては、3の規定は、小委員会の報告のうちこの協定の解釈及び適用に係る部分についてのみ適用する。

5 この協定に係る紛争を検討するために紛争解決機関により設置される小委員会には、政府調達の分野において適格性を有する者を含めなければならない。

6 手続が、最大限可能な限り速やかに行われるようあらゆる努力を払うものとする。小委員会は、紛争解決了解第十二条の8及び9の規定にかかわらず、小委員会の構成及び付託事項が合意された日の後、四箇月以内に及び遅延した場合には七箇月以内に、紛争当事国に対し最終報告を提出するよう努める。その結果、紛争解決了解の第二十条及び第二十一条4に定める期間についても二箇月短縮するようあらゆる努力を払う。更に、小委員会は、紛争解決了解第二十一条5の規定にかかわらず、勧告及び裁定を実施するためにとられた措置の有無又は当該措置と対象協定との適合性について意見の相違がある場合には、六十日以内に決定するよう努める。

7 紛争解決了解第二十二条2の規定にかかわらず、この協定以外の同了解附属書一に掲げる協定の下で生ずるいかなる紛争もこの協定に基づく譲許その他の義務を停止する理由としてはならないものとし、また、この協定の下で生ずるいかなる紛争も同了解附属書一に掲げるその他の協定に基づく譲許その他の義務を停止する理由としてはならない。

第二十三条 この協定の適用除外

1 この協定のいかなる規定も、締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要と認める措置又は情報であって武器、弾薬若しくは軍需品の調達又は国家の安全保障のため若しくは国家の防衛上の目的のために不可欠の調達に関連するものにつきその措置をとること又はその情報を公表しないことを妨げるものと解してはならない。

2 この協定のいかなる規定も、締約国が公衆の道徳、公の秩序若しくは公共の安全、人、動物若しくは植物の生命若しくは健康若しくは知的所有権の保護のために必要な措置若しくは心身障害者、慈善団体若しくは刑務所労働により生産される産品若しくは提供されるサービスに関する措置を講ずること又はこれらの措置を実施することを妨げるものと解してはならない。ただし、これらの措置が同じ条件の下にある国の間において恣意的若しくは不当な差別の手段となるような態様で又は国際貿易に対する偽装した制限となるような態様で適用されないことを条件とする。

第二十四条 最終規定

1 受諾及び効力発生

この協定は、合意された適用範囲をこの協定の附属書1の付表1から付表5までに掲げた政府(注)であって、千九百九十四年四月十五日に署名によってこの協定を受諾したもの又は批准を条件として同日までにこの協定に署名しその後千九百九十六年一月一日前にこの協定を批准したものについては、千九百九十六年一月一日に効力を生ずる。

注 この協定の適用上、「政府」には、欧州共同体の権限のある当局を含むものとする。

2 加入

世界貿易機関の加盟国又は世界貿易機関協定の効力発生の日前においては千九百四十七年のガットの締約国であり、かつ、この協定の締約国でない国の政府は、締約国との間で合意される条件によりこの協定に加入することができる。加入は、合意された条件を記載した加入書を世界貿易機関事務局長に寄託することによって行う。この協定は、加入政府については、この協定への加入の日の後三十日目に効力を生ずる。

3 経過措置

(a) 香港及び韓国は、第二十一条及び第二十二条を除くほか、この協定の規定の適用を千九百九十七年一月一日以前のいずれかの日まで延期することができる。千九百九十七年一月一日前に当該規定の適用を開始する場合には、当該規定の適用を開始する日の三十日前にその日付を世界貿易機関事務局長に通報する。

(b) この協定の効力発生の日から香港によるこの協定の適用の日までの期間において、香港とこの協定の他のすべての締約国(千九百九十四年四月十五日において、千九百七十九年四月十二日にジュネーヴで作成され千九百ハ十七年二月二日に改正された政府調達に関する協定(千九百八十八年協定)の締約国であるものに限る。)との間の権利及び義務については、千九百八十八年協定(修正し又は訂正された附属書を含む。)の実体規定(注)により規律される。これらの規定は、この目的のためにこの協定に組み入れられ、千九百九十六年十二月三十一日まで引き続き効力を有するものとする。

注 千九百八十八年協定のすべての規定(ただし、前文、第七条並びに5の(a)及び(b)並びに10以外の第九条の規定を除く。)

(c) 千九百八十八年協定の締約国であるこの協定の締約国の間においては、この協定に基づく権利及び義務は、千九百八十八年協定に基づく権利及び義務に代わるものとする。

(d) 第二十二条の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日までは、効力を生じない。それまでの間、千九百八十八年協定第七条の規定をこの協定に係る協議及び紛争解決について適用するものとし、当該規定は、この目的のためにこの協定に組み入れられ、この協定の委員会の下で適用される。

 

 

 

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