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注 政府調達における調達の効果を減殺する措置とは、国内産品若しくは国内のサービスを組み入れること、技術の使用を許諾すること、投資を行うこと、見返り貿易を行うこと、又はこれらと同様のことを要求することにより、国内の開発の奨励又は国際収支の改善のために利用する措置をいう。

2 開発途上国は、一般的な政策上の考慮(開発に関するものを含む。)に配慮し、加入の時に、国内産品又は国内のサービスの組入れの要求等の調達の効果を減殺するような措置を用いることができる条件を交渉することができる。このような要求は、調達手続への参加のための資格審査のためにのみ用いられるものとし、落札のための基準として用いられてはならない。当該条件は、明確に定義されるものとし、また、客観的かつ無差別なものでなければならない。当該条件については、当該開発途上国の附属書1に定めるものとし、当該条件においては、この協定の適用を受ける契約について調達の効果を減殺するような措置を課することについての明確な範囲を定めることができる。当該条件の存在については、委員会に通報するとともに、調達計画の公示その他の文書に含める。

第十七条 透明性

1 各締約国は、この協定の締約国でない国であって落札の透明性を高めるために次の(a)から(c)までに定める条件に従うものにある供給者からの入札を考慮するための条件(競争入札の手続又は苦情申立ての手続に従わないことを含む。)を、機関が明示することを奨励する。

(a) 第六条(技術仕様)の規定に従って契約を特定すること。

(b) 第九条に定める調達の公示を行うこと(世界貿易機関のいずれかの公用語による第九条8(調達計画の公示の概要)の公示には、この協定の締約国にある供給者からの入札を考慮するための条件に関する記述を含める。)。

(c) 調達に関する規則が原則として調達の過程において変更されないことを確保する意思を有すること。また、そのような変更が避けがたい場合の十分な救済措置を確保する意思を有すること。

2 この協定の締約国でない国の政府であって1の(a)から(c)までに定める条件に従うものは、締約国に通報する場合には、委員会にオブザーバーとして出席することが認められる。

第十八条 機関の義務に係る情報及び検討

1 機関は、附属書?に掲げる適当な出版物により第十三条から第十五条までの規定に基づく落札の決定の後七十二日以内に公示を行う。この公示には、次の事項を含める。

(a) 落札に係る産品又はサービスの特質及び数量

(b) 契約を締結する機関名及びその所在地

(c) 落札の日

(d) 落札者の名称及び住所

(e) 落札価額又は落札の決定に当たり考慮された最高及び最低の入札価額

(f) 適当な場合には、第九条1の規定に基づき行われた公示を確認するための方法又は第十五条の手続の使用を正当化する同条の規定に基づく理由

(g) 使用された手続

2 各機関は、締約国の供給者から要請があった場合には、速やかに次の説明を行い又は情報を提供する。

(a) 自己の調達に関する手続及び慣行についての説明

(b) 当該供給者の資格審査の申請が拒否された理由、当該供給者が資格を失った理由及び当該供給者が選択されなかった理由に関する適切な情報

(c) 落札者とされなかった入札者に対し、その者の入札が落札とならなかった理由に関する適切な情報(落札とされた入札の特色及び相対的な利点に関する情報を含む。)及び落札者の名称

3 機関は、入札に参加した供給者に対し、落札の決定を、要請があったときは書面により、速やかに通知する。

4 もっとも、機関は、1及び2(c)に定める落札に関する一定の情報について、当該情報の公開が法令の実施を妨げる等公共の利益に反し、公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害し、又は供給者の間の公正な競争を害することとなる場合には、公開しないことを決定することができる。

第十九条 締約国の義務に係る情報及び検討

1 各締約国は、附属書IVに掲げる適当な出版物において、かつ、他の締約国及び供給者が知ることのできるような方法により、法令、司法上の決定、一般に適用する行政上の決定及び手続(標準契約条項を含む。)であってこの協定の適用を受ける政府調達に係るものを速やかに公表する。各締約国は、要請があったときは他の締約国に対し自国の調達に関する手続について説明することができるように準備しておく。

2 落札者とされなかった入札者に係る政府であるこの協定の締約国の政府は、第二十二条の規定の適用を妨げることなく、調達が公正かつ公平に行われたことを確認するために必要な落札に関する追加の情報を求めることができる。このため、調達を行った政府は、落札とされた入札の特色及び相対的な利点についての情報並びに落札の価格についての情報を提供する。落札者とされなかった入札者に係る政府は、公表する権利を慎重に行使することを条件として、原則として落札の価格についての情報を公表することができる。この情報の公表が将来の入札における競争を害することとなる場合には、当該情報は、落札者とされなかった入札者に係る政府がこれを提供した締約国と協議し、かつ、その同意を得た後でなければ、公表してはならない。

3 機関による調達及び個々の落札に関する利用可能な情報については、要請があったときは、他のいずれの締約国に対しても提供する。

4 締約国に提供された秘密の情報であって、法令の実施を妨げる等公共の利益に反することとなるもの、公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるもの又は供給者の間の公正な競争を害することとなるものは、その情報を提供した締約国の正式の許可がなければ公表してはならない。

5 各締約国は、毎年、この協定の適用を受けるその調達に関する統計をとり委員会に提出する。この統計に関する報告には、この協定の適用を受ける機関によって締結された契約に関する次の情報を含める。

(a) 付表1の機関については、締結された契約(基準額以上及び基準額未満の価額のもの)の概算価額に関する機関別及び全体の統計。付表2及び付表3の機関については、締結された契約(基準額以上の価額のもの)の概算価額に関する機関の種類別及び全体の統計

 

 

 

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