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後発開発途上国に対する特別の待遇

12 異なるかつ一層有利な待遇、相互主義及び開発途上国の一層完全な参加に関する千九百七十九年十月二十八日付けの千九百四十七年のガットの締約国団の決定(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十六巻二百三ぺ一ジから二百五ページまで)6を考慮し、開発途上締約国のための一般又は個別の措置に関し、後発開発途上締約国に対し及び後発開発途上締約国を原産地とする産品又はサービスの後発開発途上締約国の供給者に対し特別の待遇が与えられる。締約国は、この協定の締約国でない後発開発途上国を原産地とする産品又はサービスのこの協定の締約国でない後発開発途上国の供給者に対し、この協定の利益を与えることができる。

13 各先進締約国は、要請があったときは、後発開発途上国の潜在的な入札者に対し、その入札の準備並びに自国の機関及び後発開発途上国の供給者が関心を有すると思われる産品又はサービスの選択について適当と認める援助を与える。先進締約国は、同様に、これらの入札者が調達計画の対象となる産品又はサービスに関する強制規格及び任意規格を遵守するように援助を与える。

検討

14 委員会は、毎年この条の規定の運用及び実効性について検討するものとし、また、締約国が提出する報告に基づき、三年ごとに、この条の規定の運用の影響を評価するために主要な検討を行う。委員会は、三年ごとの検討の一部として、特に第三条の規定を含めこの協定を最大限度において実施するため、関係のある開発途上国の開発、資金及び貿易の状況を考慮して、4から6までの規定により認められる適用除外を修正するかどうか又は延長するかどうかについて検討する。

15 各開発途上締約国は、第二十四条7の規定による新たな交渉の過程において、その経済、資金及び貿易の状況を考慮に入れて、その適用範囲の表を増補する可能性について考慮する。

第六条 技術仕様

1 機関の定める技術仕様であって、品質、性能、安全、寸法等の調達される産品若しくはサービスの特性、記号、専門用語、包装、証票及びラベル等又は生産工程及び生産方法について規定したもの並びに機関の定める適合性評価手続に係る要件は、国際貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として又はこれをもたらす効果を有するものとして、立案され、制定され又は適用されてはならない。

2 機関は、技術仕様については、適当な場合には、(a)デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目して、また、(b)国際規格が存在するときは当該国際規格、国際規格が存在しないときは国内強制規格(注1)、認められた国内任意規格(注2)又は建築規準に基づいて定める。

3 入札説明書においては、調達に当たって適合することを要求する要件として商標、商号、特許、デザイン若しくは型式又は産地、生産者若しくは供給者を特定してはならず、当該要件の説明においてこれらに言及してはならない。ただし、これらを用いなければ十分に明確な又は理解しやすい当該要件の説明を行うことができない場合にその説明において「又はこれと同等のもの」というような文言をこれらに付すときは、この限りでない。

4 機関は、特定の調達のための仕様の準備に利用し得る助言を、競争を妨げる効果を有する方法により、当該調達に商業上の利害関係を有する可能性のある企業に対し求め又は当該企業から受けてはならない。

注1 この協定の適用上、強制規格とは、産品若しくはサービスの特性又はその関連の生産工程若しくは生産方法について規定する文書であって遵守することが義務付けられているもの(適用可能な管理規定を含む。)をいう。強制規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品、サービス又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

注2 この協定の適用上、任意規格とは、産品若しくはサービス又は関連の生産工程若しくは生産方法についての規則、指針又は特性を一般的及び反復的な使用のために規定する、認められた機関が承認した文書であって遵守することが義務付けられていないものをいう。任意規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品、サービス又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

第七条 入札の手続

1 各締約国は、自国の機関の入札の手続が無差別に適用され、かつ、この条から第十六条までの規定に合致することを確保する。

2 機関は、いかなる供給者に対しても、特定の調達に関する情報を競争を妨げる効果を有する方法によって与えてはならない。

3 この協定の適用上、

(a) 公開入札の手続とは、関心を有するすべての供給者が入札を行うことのできる手続をいう。

(b) 選択入札の手続とは、機関によって入札を行うよう招請された供給者が第十条3その他のこの協定の関連規定により入札を行うことのできる手続をいう。

(c) 限定入札の手続とは、第十五条に定める場合においてのみ機関が供給者と個別に折衝する手続をいう。

第八条 供給者の資格の審査

機関は、供給者の資格の審査の過程において、他の締約国の供給者の間又は国内供給者と他の締約国の供給者との間に差別を設けてはならない。資格の審査に係る手続は、次の規定に合致するものでなければならない。

(a) 入札の手続への参加のためのいかなる条件も、関心を有する供給者が資格の審査に係る手続を開始することができるよう、また、当該手続を早期に完了することが調達制度の効率的な運用と両立する場合には当該供給者が当該手続を早期に完了することができるよう、適当に早い時期に公示される。

(b) 入札の手続への参加のためのいかなる条件も、供給者が当該入札に係る契約を履行する能力を有していることを確保する上で不可欠なものに限定されなければならない。供給者に要求される参加のための条件(供給者の資金上、商業上及び技術上の能力を証明するために必要な情報、資金上の保証並びに技術的資格を含む。)及び資格の審査は、国内供給者よりも他の締約国の供給者が不利となるものであってはならず、かつ、他の締約国の供給者の間に差別を設けるものであってはならない。

 

 

 

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