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その結果として、VENDEX(Vender Information Exchange)といった情報システムが構築されている。そこでは、各入札企業の経験等に関する情報が蓄積されている。調達の際の評価基準としては、3つの基準が示されている(25)。第1の基準は価格である。第2の基準は応答性(Responsivenes)であり、発注者側の要求(specification)を満たすことができるのかということである。第3の基準は責任性(Responsible)であり、ビジネスにおける高潔(business integrity)、能力(capacity)を指す。実際には、まず価格について検討した後に、応答性、責任性について検討することとなる。

 

イ 優遇措置

(ア) 小企業優遇

ニューヨーク市には、現在は、小企業優遇はない。

 

(イ) 少数民族企業優遇

ニューヨーク市には、現在は、少数民族企業優遇はない。

 

(ウ) 地元優遇

ニューヨーク市には、かつて地元優遇(General NY City Preference)があった。しかし、ディキンズ市長の時代(89-93年)になくなったといわれる(しかし、ニュージャージー州担当者によると、現在でも市内入札者に対する5%優遇が存在しているという)。

 

(エ) リサイクル品優遇

リサイクル紙・プラスティックについては10%の優遇ある。

 

ウ 外交上の制裁としての差別措置

ニューヨーク市にはマサチューセッツ州のビルマ制裁法に類似の措置がある。ニューヨーク市においては、入札者は政策文書(Policy Statement)に合意することを求められるが、その中にビルマではビジネスしないという条項が含まれている。企業側としては、この条項に合意することが入札の条件というわけではないが、ニューヨーク市長は5%以内の価格差であれば、ビルマとビジネスしているものをとばすことができる(may)という規定になっている。しかし、そのような措置は実際にはあまりとられないようである。特に調達価格が大きい場合、5%といっても比較的大きな額となるので、市の経済的利益の観点から適用しないこともあるのである。

また、類似の措置が北アイルランドとビジネスを行う企業に対してもとられている。

ニューヨーク市においても、このような外交上の制裁としての差別措置の起源は、アパルトヘイトを行っていた南アフリカに対する制裁措置である。

 

エ WTO政府調達協定への対応

ニューヨーク市のような地方自治体は、WTO政府調達協定の対象外である。

 

(7) 一般的傾向

ア 調達の仕組み

米国においては、調達の仕組み・評価基準等は、一般的には地方政府毎に制定される。従って、当然のことながら、各州政府の調達制度は連邦政府の調達制度とは全く異なる。ただし、州内の地方自治体が州政府の調達制度と同じ場合はある。

 

 

 

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