第2章 地方公共団体とNPOの協働
1 はじめに
第1章では、NPOの現状と意義について触れたが、本章においては、地方公共団体とNPOの協働の在り方について、全体像を把握するとともに、個別分野における事例について検証を行うこととする。
2 総説
(1) 地方公共団体とNPOの関わり方の類型
NPOの活動における地方公共団体との関わり方については、およそ以下のような類型化が可能である。
1] NPOが直接公共的サービスを提供するケース
・NPOが地方公共団体の委託を受け、公共的サービスを提供するケース
例) 公園の管理運営、NPOサポートセンターの管理運営等
・NPOが行政の目が届かない又は先駆的なサービスを提供するケース
例) 被災者支援、在日外国人の緊急一時保護等
・NPOと行政とが同形態の公共的サービスを提供するケース
例) 介護サービス等
2] NPOが広い意味でコミュニティ活動を主体的に行うケース
例) 地域社会での子供の教育、歴史を活かしたまちづくり活動等
3] 住民のコミュニティ活動をNPOが支援するケース
例) 地域住民のボランティア活動の分野横断的な支援等
4] 住民参加型行政を推進するに当たってNPOがコーディネーターとなるケース
例) まちづくり活動における住民と行政の橋渡し役、ワークショップの企画運営等による住民のニーズの調整・取りまとめ等
5] NPOが行政、企業、住民等の共同事業体として活動を行うケース
例) 環境改善活動における行政、企業、住民等の調整活動等