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(2) 地方公共団体におけるNPO関連施策の例

NPOは、本来、参加者の主体性・自発性によって組織されるべきものであるが、独力でNPOを立ち上げ、運営していく能力・エネルギーを有する者は少数である。したがって、独力ではNPOの設立・運営を行うことはできなくても、NPOを通じた活動を望んでいる者に対する国・地方公共団体による公的支援が求められる。

ただし、NPOの活動は誰が見ても公共性が高いと言えるものとは限らない。たとえば、コンサートに行く親のために幼児を預かるといった活動は、有益であっても、公共性の有無については判断が分かれ得る。このような場合、国・地方公共団体が支援を行うことが適当かどうかという問題が生じる。個別のケースごとの判断にならざるを得ないが、透明性の確保を条件に、柔軟に対応することが必要であると考えられる。

地方公共団体による支援策としては、以下のような例を挙げることができる。

 

1] ボランティア、NPO等の社会貢献活動の拠点となる施設の整備

○ 住民やNPOに対して活動の場や情報を提供するNPOサポートセンターやボランティア支援センター等の設置(14都県、6政令市で設置済)(H11.8)

2] ボランティア、NPO関連条例の制定

○ ボランティア・NPO活動の促進に関する地方公共団体の責務等を規定

○ 5県1政令市で制定済(H11.8)

3] 特定非営利活動法人(NPO法人)への法人住民税(均等割)の減免

○ 都道府県民税の均等割については全都道府県で何らかの減免措置

4] ボランティア、NPO活動の啓発

○ 広報誌等による各団体の活動内容の紹介等

○ 表彰、顕彰制度

5] 情報提供

○ ボランティア、NPO情報のデータベース化

○ 行政情報の提供

6] 人材の確保、育成の支援

○ 市民向けのシンポジウム、体験講座等の開催

○ リーダー等養成事業

 

 

 

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