日本財団 図書館


第2に、たとえば介護の分野においてNPO(専門家型・地域活動型とも)がたとえ少ないシェアであってもNPO独自のサービスを提供することによって、その地域全体のサービスの質がそれとの比較によってチェックされるという効果が期待される。

第3に、NPO(地域活動型)は、自治会・町内会等の既存団体の仕組みに馴染めない住民の社会参加意欲に応える意義を有している。

以上のようにNPOの必要性は否定しがたいが、なお留意すべき点を述べると、NPOについては、競争状況等それを取り巻く環境によっては、公共財の提供という観点からみて、必ずしも効率的なパフォーマンスにはなっていない場合がある。したがって、個別のNPOの事例について評価する場合には、競争状況、公的部門との連携のあり方等も含めて分析を行う必要がある。

また、NPO法をはじめ、NPOについては、国・地方公共団体も環境整備・支援に力を入れて来ているが、そうした状況を活用できる能力を有する人々とそうでない人々との間で格差が生じる可能性もある。こうしたいわば「NPOディバイド」を最小限のものとするため、国・地方公共団体には、情報提供を含め、きめ細かい支援が求められるところである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION