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3] 自然、文化(祭り、行事、食文化、歴史、芸能ほか)、環境などの部会を発足させる。そして部会ごとに講演会や資源調査、フィールドワークの企画を立てる。

4] 海・漁業体験教室は新たな魅力づけを行って、従来オフシーズンとされてきた時期に参加者を呼び込むためのものでもある。そのため地域住民や関係者と一緒になって新たな体制作り、秩序づくりを行う。

5] プログラムの充実や企画、各種イベントを推奨、支援していく。

 

III 海・漁業体験教室推進計画〔モデル化のために〕

 

海・漁業体験教室を実行していくためには、経営感覚と環境保全、都市と地方、漁業と遊魚者、マスと個など色々矛盾した論理、あるいは双方相反する状況や言い分の違いが生じてくる。そこで相反する事柄、矛盾する事柄などについても双方が互いに歩み寄り、理解し合う。そのうえで、地元主導の計画を実現化していくことが大切である。その役割を各指導者が担い努力する。

以下に具体的進め方の一例を示してみた。

事前協議として1] 〜4] がある。

1] 海・漁業体験教室の素材(地域資源・資産)やレベルを考え、対象者別に分けてみる。もしくは対象者別に素材を考えてみる。そして地域資源、受け入れ体制など、どのような課題があるかを多面的に調査研究を行う。

2] 海レクや漁業に関する諸規則、条件などとの調整問題、地域経済との関わり、あるいは基盤整備などについて、役場を始め他の関係機関と話し合う。

3] 素材の意味付けや再確認、再評価を行ない、資源の保護と活用の枠組みをどこに置くかなどの事前協議を行なう。事業システムのあり方や事業規模を探る。

4] 再開発、管理運営、スケジュールを協議する。

5] マーケティング調査を実施する。

6] 仮に一度設定した価格体系を変更することはなかなか難しいので、十分な市場調査や保険制度或いは市場ニーズの把握が必要である。同時にいまの社会は、適正でオープンな収支設定をしなければならない。

7] 参加者を呼ぶための情報発信をする。また他地域などの先進地事例などを参考とする。

またロイヤリティーやリピーター率の高い参加者を組織化するためには、定常的に情報を収集し、積極的に発信する(情報は発進する所に集まる)。そして効果的かつ積極的にイメージ戦略を打ち出すと共に、独自性を追求し、相乗効果をねらう。

そして経験を積んだ段階で、地域ネットワークの確立(広域移動型の可能性)を図り、魅力アップを狙う。

8] 景観・滞在環境の整備をする。整備事業は事業が十分発展した段階で、最後の手段として十分な事業計画を練ったうえで実施する。

 

 

 

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