1] 第1のタイプ
漁協自らはダイビング施設を整備せず、ボンベの貸出、ダイビング案内などの事業も行わない。ただし開放されたダイビングスポットの利用料を徴収している。
なかにはダイビング施設やボンベの貸出も行わず、ダイビング施設を整備した民間業者に委託して徴収させるところもある。
2] 第2のタイプ
ダイビングスポットの利用料徴収も民間業者に任せる。ただしダイビング案内は、漁協組合員の漁船を利用する。
3] 第3のタイプ
ダイビングスポット施設の整備は行わないものの、ボンベの貸出、ダイビング案内、ダイビングスポット利用料の徴収を漁協が自ら行う。
4] 第4のタイプ
漁協がダイビングスポット施設の整備を含め、全ての事業を行う。ダイビングスポット利用料。空気ボンベ貸出料。施設利用料。ダイビング案内料。宿泊料などである。
すなわち当然のことながら第4のタイプの漁協(全てのダイビング事業を行っている事例)が、一番収入が多くなっている。この場合、漁協は事業開始のために、かなりの投資を行っており、事業としての危険性も伴うこととなる。
次に収入が多いのが、第2タイプのダイビング案内を漁協組合員の漁船で行っている漁協である。ただしダイバーが、民宿には殆ど宿泊しないため、収入は少なくなっている。
基本的にダイビングスポット利用料の徴収のみを行っている第1タイプは、タイバー数が多いにも係わらず、漁業関係者の収入は低いレベルに留まっている。第3タイプのダイビング施設が整備されていない場合は、利用するダイバーが少ないことから、漁業関係者の収入は少なくなっている。さらに、伊豆半島のダイビングスポットについて年間推定をしてみると、以下のようである。
・第1のタイプ…約4,000万円
・第2のタイプ…6〜7,000万円
・第3のタイプ…約1,000万円
・第4のタイプ…約1,800万円
(2) 経営的見地からのウエイト
ダイビングスポット事業に関する関係者の収入の種類としては、以下のものがある。
1] ダイビングスポット利用料収入やボンベ貸出収入のウエイトは高いことがわかる。
2] ダイバーからの宿泊収入や案内収入は、低いようである。
3] 今後ダイビングスポット事業の収入を増やしていくためには、ダイバーの数を増やしていくことも重要であるが、そのうちのどれだけが地元の民宿に宿泊するかがより大きな問題となる。
4] そのためには、漁協が民宿斡旋の窓口となり、宿泊客を優先的に紹介するようなシステムをつくることも重要であろう。
5] ダイバー案内についても、漁業者のみがこれを行うようなシステムをつくることも重要となろう。