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○ 地方税財源の充実確保については、国の財政・税制と深く関わるものであり、国庫補助負担金や地方交付税を含めた国・地方を通ずる行財政制度のあり方を見直し、改革することが必要となります。しかし、現在の危機的な財政状況の下では、国と地方の税源配分のあり方について見直しを行うことは現実的でないことから、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階において、国・地方を通ずる財政構造改革の議論の一環として、取り組むのが適当であると考えます。当調査会としては、関係方面との連携を図りつつ、地方税の充実確保の方策について具体的な検討を進めていくこととします。

(4) 地方税財源の充実確保方策の方向

○ 地方税の充実確保を図る際には、所得・消費・資産等の間における均衡がとれた国・地方を通ずる税体系のあり方等を踏まえつつ、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築が重要です。

○ 地方税の基幹税目の中では、個人住民税はその充実が望ましいと考えられます。地方消費税は今後その役割がますます重要なものになっていくと考えられます。固定資産税は引き続きその安定的な確保に努める必要があります。

法人事業税の外形標準課税は、景気の状況等を踏まえつつ、早期に導入を図ることが必要です。

(5) 課税自主権の活用

○ 地方公共団体が、地域住民の意向を踏まえ、自らの判断と責任において、課税自主権を活用することにより財源確保を図ることは地方分権の観点から望ましいものです。その際、公平・中立等の税の原則に則ることが必要です。また、国においてもできるだけこれらの動きを支援する必要があると考えます。

 

第二 個別税目の現状と課題

一 個人所得課税

14. 個人住民税関係

○ 個人住民税については、負担分任の性格や福祉等の対人行政サービスなどの受益に対する負担として対応関係が明確に認識できるという性格、税収入面での普遍性、安定性などを踏まえつつ、その充実確保について検討する必要があります。

○ 現在個人住民税が非課税となっている割引債の償還差益や所得税で確定申告不要制度が採られている一定の少額配当については、適正化を図る必要があります。

 

 

 

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