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IV 北九州市の住宅施策について

人口の減少、高齢化に伴う商店街の衰退やコミュニティの弱体化を止めるためには、「市街地の整備改善」や「商業等の活性化」を2本柱とする施策だけでは、抜本的な改善には繋がらないであろう。魅力あるまちづくりと居住施策とがうまくマッチングして、初めて活力ある中心市街地ができると考える。

今回、都心居住施策がテーマとなっているが、これまで述べてきたように、北九州市では人口の減少、高齢化に伴う商店街の衰退やコミュニティの弱体化といったような問題が、都心よりもむしろ各区の中心市街地を含む既成市街地で生じているということである。そこで、これらの地区においては、若年世帯の定住を促進し、均衡ある地域社会の形成をめざして、現在、次のような施策を掲げ、取り組んでいる。

 

1] 定期借地権付き住宅の普及

2] 民間型を主体とする特定優良賃貸住宅の供給促進

(既成市街地で供給する特定優良賃貸住宅の事業者に対し、建設費補助と家賃減額補助などをおこなう。)

3] 用地取得困難な既成市街地での借り上げ型の市営住宅の供給

(指定する既成市街地内で民間事業者が建設する賃貸住宅を市が公営住宅として、20年間借り上げ、認定物件の建設費補助と借上料を支出する。)

このうち、特異な施策、市有地を活用した定期借地権付分譲住宅及び都心居住という観点から医療と連携した都市型分譲住宅(メディカルサポート・ハウジング)について本市の事例を紹介したい。

 

1 定期借地権付分譲住宅

人口の減少や高齢化などの問題を解決し、市街地の再生と魅力のある街づくりによる定住化の促進を図るモデル事業として、比較的若年層にも取得しやすい定期借地権方式による分譲住宅事業を展開するため、小学校の統廃合で生じた市有地(旧天神小学校跡地)を活用した全国初の定期借地権付分譲住宅「ガーデンヴィレッジ天神」事業に取り組んでいる。

 

 

 

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