(4) 総合的な住まい情報システムの構築についての施策
1) 住まい情報センターの整備
「大阪市立住まい情報センター」は、市民が住まいに関するさまざまな情報を迅速かつ的確に入手できる総合的な住情報拠点である。
本センターでは、公共住宅から民間住宅まで、大阪市内の各種住宅情報を集約化し提供するとともに、住まいに関する一般的な相談から、法律・税務・建築など専門的な相談までさまざまな相談・コンサルティングを行っている。
また、住まいのライブラリーを設置し、住まいに関する図書、雑誌、地図、ビデオなどを多彩に揃え、「住」と「暮らし」の幅広い情報を提供している。
さらに、より良い住まいづくり、まちづくりに向け、市民の方々が住まいに関する情報や知識を自発的・積極的に入手できる機会を提供するため、各種セミナーやシンポジウムを開催している。
また「住まい情報センター」には、江戸時代の大阪のまちなみを実物大で再現したり、明治時代以降の大阪を代表する典型的な住宅を模型や映像で紹介するなど、大阪の住まいや暮らしの歴史等の展示を通じて「住むまち・大阪」のイメージアップをはかる「住まいのミュージアム(仮称)」(平成13年春オープン予定)をあわせて設置する。
今後とも大阪市では、「住まい情報センター」を核に市内主要ターミナル3か所の「住まい惜報提供コーナー」などとのネットワーク化をはかりながら、市民の方々に役立つ住情報を総合的な提供を行う。
おわりに
これまで、大阪市やその都心に人口を回復させる住宅政策について述べてきたが、居住地を選択する立場から考えると、住む魅力があり、そこに住みたいと思わなければ、どんな政策を実施しても、望む結果は得られない。
大阪市やその都心に住む魅力や住むメリットは、少ないのであろうか。わたしはそうは思もわない。
大阪市内とくに都心に住めば、職住近接が図られ、通勤時間が大幅に削減し、余暇時間が増加する。その時間を活用して、スポーツや文化活動などを通して豊かな生活が送れる。大阪市では、ほぼ全区に市立のスポーツセンターが整備されており、温水プールも全区整備を目指し計画が進行中である。図書館は各区に整備され、コンピュータでネットワークしているので、総蔵書数約266万冊を各区の端末から検索、貸し出し、返却が行える。これらの施設を有効に活用すれば、安価でスポーツ・文化活動が行える。