日本財団 図書館


2) 総合設計制度等を活用した都心部住宅供給の促進

1] 「都心居住容積ボーナス制度」

都心部における居住を促進し、都心部の活性化をはかるため、昭和54年から「都心優遇ボーナス制度」し、平成6年度から制度を拡充し新たに「都心居住容積ボーナス制度」として実施している。

「都心居住容積ボーナス制度」は、「総合設計制度」を活用した制度で、都心部の一定の地域(図-8)において、一定割合以上の住宅を附置するなど一定の条件を満たす建築物については、一般の総合設計制度の容積率の割増に加えて、住宅部の容積率の特別割増を受けることができる制度である。その実績は、昭和54年から平成12年11月末現在での適用件数は74件、6115戸の住宅を都心に供給している。

※「総合設計制度」は、敷地面積が一定規模以上で、敷地内に一定割合以上の広い空地を確保し、市街地環境の整備改善に役立つと認められる建築物について、建築基準法による容積率、高さに関する形態規制の一部を緩和することができる制度。

2] 「住宅附置誘導制度」

平成6年度から、都心部における住宅建設を促進するため、都心部の一定地域内(図-9)で一定規模以上の建築物を建設する場合、その主たる用途が事務所・店舗であるものについては、一定割合以上の住宅を附置するよう行政指導を行う「住宅附置誘導制度」を実施している。

 

3) 都市計画制度を活用した住宅供給の促進

1] 「船場都心居住促進地区ボーナス制度」

都心部における人口減少を抑制し、住宅を含めた健全な都心機能の回復をはかるため、平成元年から「船場都心居住促進地区ボーナス制度」を実施している。

「船場都心居住促進地区ボーナス制度」は都市再開発法第7条の8の2による再開発地区計画制度を適用したもので、対象地区は都心の中でも中心部分に位置する約7.1haで、東横掘、西横掘、長堀通に囲まれた区域のうち「船場建築線」が指定されている、現行指定容積率が600%の地区である。

※「船場建築線」は、昭和14年船場地区の街区整備のため、細街路の中心より6mまたは5m後退して指定された建築線。

この制度により、住宅を含む計画で、敷地の大きさや建ぺい率、船場建築線による敷地後退部分を歩道として整備するなど一定の条件を満足し、市長が認定したものについては最高800%までの容積率の割増しが可能となる。また、建築審査会の同意を得て市長が許可したものについては高さに関する制限が緩和される。(図-10)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION