桜之宮中野地区は、JR大阪駅の東約3km、JR環状線桜ノ宮駅北側に位置する約29.8haの地域で、従前は淀川貨物駅跡地や大阪市の市電車庫跡地等の大規模な用地と住商混在の小規模な民有地等によって構成されていた。地区北東には地下鉄都島駅もあり、交通至便な地であるとともに、西側には大阪の都市景観を代表する大川および毛馬桜之宮公園が広がる恵まれた立地条件にある。
昭和60年度より、この地区に「特定住宅市街地総合整備促進事業(現:住宅市街地整備総合支援事業)」を適用し、良好な住宅地として整備する事業に着手している。地区整備にあたっては、恵まれた立地条件を生かし、「21世紀に向けて都市居住の魅力を創出する高水準住宅の供給」をはかるとともに、道路、公園、教育施設等の公共公益施設の整備を推進することとしている。
また、地区内の既成市街地部分において、民間の良好な住宅建設を誘導し、居住環境の改善を促進することとしている。
住宅建設に際しては、都市型集合住宅プロジェクト開発設計競技を実施し、その最優秀提案にもとづき、大阪市住宅供給公社、住宅・都市整備公団(現:都市基盤整備公団)、および民間(最優秀提案企業)等で、1,113戸の住宅を建設した。
・事業の進捗状況
取得を要する用地10.5ha(公共公益施設を合む)の大半をすでに取得しており、住宅建設については、計画戸数1,113戸全戸がすでに完成した。また、街路2路線、公園2カ所、学校グラウンドがすでに完成している。
2] 淀川リバーサイド地区(写真-7)
・地区整備計画の概要
淀川リバーサイド地区は、JR大阪駅の北東約2kmの地点にあり、都市計画道路中津赤川線、北野都島線、新庄長柄線および大川に固まれた35.6haの区域である。都心に近い交通至便な地域でありながら、工場と木造住宅、小店舗等が混在するなど、住環境の整備が課題でした。地区内の工場の移転にともない、跡地の用地取得を大阪市と住宅・都市整備公団(現:都市基盤整備公団)が協力して進める一方、事業手法として、「特定住宅市街地総合整備促進事業・(現:住宅市街地整備総合支援事業)」を適用し、工場や老朽住宅地を再開発し、職住近接の良好な住宅地として整備することとしたものである。また、老朽住宅が集中する地区の北西部分については、「住宅地区改良事業」をあわせて実施している。地区整備にあたっては、大川の水と毛馬桜之宮公園の緑を生かし、職住近接の良質な住宅を建設するとともに、道路、公園、学校等の公共公益施設の整備を総合的に進め、快適で利便性に富んだまちづくりを行い、また、あわせて公園や住宅地のオープンスペース等を活用し、緊急時の避難場所として整備することとしている。
・事業の進捗状況
取得を要する用地25haのうち、約24.6ha(約98%)をすでに取得している。また、住宅の建設は3,399戸がすでに完成した。公共公益施設は、街路7路線のうち4路線が完成、公園についても3カ所のうち2カ所がすでに完成し、中学校も開校している。