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3] 勤労者及び社会の生産性・創造性の向上

職場と住居の遠隔化による長時間通勤は、勤労者の肉体的疲労と自由時間の不足をもたらしている。ゆとりの存在は、勤労者の生産性・創造性の向上に必要不可欠であり、そのことが都市圏全体の社会的生産性・創造性の向上にもつながっている。このような観点からも職住近接を促進する必要がある。

 

(2) 大阪市の都心の範囲と人口の動向

1) 大阪市での都心の考え方

「大阪市総合計画21」では、

「都心とは、既存の集積を生かし、概ねJR大阪環状線により囲まれた地域などを示す。」

と定義している。(図-1)

 

2) 大阪市及び中心ブロックの人口・世帯数の動向

1] 人口の動向

平成12年国勢調査結果速報における大阪市の人口は、259万8589人で、前回(平成7年)と比べると、3832人(0.1%)の減少となっており、人口は下げ止まりの傾向にある。本市の人口の推移をみると、戦後は昭和40年の316万人をピークに減少を続けてきたが、昭和55年からはその減少幅は縮小し、昭和58年には18年ぶりに増加に転じ、昭和62年まで微増傾向を示していた。しかし、昭和63年からはバブル経済の進展とその彼の崩壊など、社会経済情勢の急変の影響などから、再び減少傾向となった。平成7年には阪神・淡路大震災の影響もあり一時的に増加したものの、平成8年以降は再び減少傾向となったが、人口の減少幅は転出の減少・転入の増加に伴い縮小傾向にある。さらに、本年は社会増加に転じたことに加えて、自然増加が引き続いていることにより、人口は下げ止まりつつあると見られる。

一方、ブロック別*にみると、南部ブロックの人口が74万3116人と最も多く、以下、東部ブロック67万7670人、北部ブロック43万9690人、中心ブロック37万5369人、西部ブロック36万2744人となっており、前回と比べると、中心ブロックと西部が入れ替わっています。

増減数・増減率をみると、中心ブロック(1万8497人・5.2%)、北部(603人・0.1%)で増加しており、一方、西部(1万2628人・3.4%)、南部(5982人・0.8%)、東部(4322人・0.6%)で減少していることから、中心ブロック(都心)における人口回帰が伺える。しかし、中心ブロックの人口は、西部よりは若干多いものの他のブロックと比べれば少なく、最も人口の多い南部の約半分に過ぎないことからも、中心ブロック(都心)では、引き続き人口回復のため住宅を含めた健全な都心機能の回復が必要である。

 

 

 

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