日本財団 図書館


(1) 大都市・大阪に人が住むことの重要性

大都市に人が住むことは、まず第1に居住する市民にとって、第2にはその都市にとって、第3には社会全体にとって、各々意義があると考える。

ここでは、大阪市に人が住むことの重要性について、これら3つの観点から整理する。

 

1) 豊かな生活の享受

大都市に住むことは、人々が人間らしい心豊かな生活をおくることに大きく寄与するものと考える。

1] 自由時間の創出とその有意義な活用

豊かな生活を実現するための条件の1つに自由時間の存在がある。職住近接の市内に住めば、郊外居住者が通勤に費やしている時間を、家族との団欒・地域活動・自己啓発などに振り向けることができ、アフターファイブが充実し、心豊かな生活の実現が可能となる。

2] 都市の様々な装置・サービスを活用したアーバンライフの実現

都市には、人口の集積から生じる多様なニーズに対応して、様々な利便装置が集積しサービスが供給され、また新たなサービス等も先行的に供給されている。

都市に住めばこのような密度の濃い、かつ先端的なサービスを享受でき、利便性の高い豊かな生活をおくることが可能となる。このため、都市がもつこれらの利点を積極的に活用し大都市型の新しいライフスタイルを創造しでいくことが必要である。

3] 自己実現機会の拡大

大都市、とりわけ大阪市は長い発展の歴史をもっており、その間における人々の営々とした営みの積み重ねにより今日に至っている。したがって、都市にはその長い歩みの過程で培われてきた有形・無形の豊かな資産が蓄積されている。

また、一方で大都市は未来に向けてダイナミックな活動を今日も続けている。都市がもつ、このような歴史的蓄積や躍動の雰囲気の中で生活することによって、人々は人生を本当に味わい深く、かついきいきとしたものにできると考える。

また、都市には年齢的にも、社会類型的にも多様な人々が集まっている。そのため、都市に住めば、人と人との交流が職場だけにとどまらず、自由時間においても展開され、多彩な交流が可能となる。その交流の中から自己啓発・自己実現の機会が生まれてくることになる。

 

2) 大阪市の活性化

職住近接とは、人々が都市の中で24時間生活することを意味し、それは都市の活力や健全性を確保するうえで非常に重要な要素であると考える。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION