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特に年金生活者などについては9万円の家賃は負担できないとの声もあがっていた。こうした課題は「修復型のまちづくり」といえる西口エリアの再開発では、必ず解決しなくてはならない課題であったといえよう。

 

(2) 川崎訳西口における定住問題

図9は、JR川崎駅西口地域における人口の推移を示したものである。各地区の人口はマンション建設などの影響を大きく受けるため、大きな増加を示している町も見られるが、総じて横這い又は減少傾向にあるといえる。特に公営住宅が多くを占める大宮町においては、人口が減少傾向にあり、住宅更新事業の都市計画決定がなされた平成2年以降は減少傾向に転じている。人口については、建替が終了すれば増加するものと考えられるが、西口地区の定住問題と公的住宅等の建替えが重要な関連性を持っていることが伺われる。

 

図9 川崎駅西口エリアの人口の推移

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(3) 住宅市街地整備総合支援事業

西口における公営住宅の老朽化や再開発の動向、整備の状況を踏まえ、川崎駅西口地区の目標として、地区の活性化、人を引きつける魅力あるまちづくり、次世代に誇れるまちづくりを掲げ、こうした目標を達成するために、住宅市街地総合整備支援事業の整備計画を定めた(平成2年4月大臣承認)。

 

図10 川崎駅西口地区第一種市街地再開発事業

A-1 街区完成予想図

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この計画では、市営、都市基盤整備公団(旧住宅・都市整備公団)、神奈川県住宅供給公社などの大規模な公的団地での建替え、低未利用地等の土地利用転換、一般市街地での建替えなどにより、駅前にふさわしい商業・業務や文化機能と都市型住宅が調和した、斬新で魅力的な都心部の形成をめざしている(図11参照)。

 

 

 

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